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徳とする
「徳とする〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徳とするの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
もう不吉な色には見えなかった。むしろ今は、その鴉から黙黙として滅んだ先祖の運命を
徳とする理由を素直に発見出来たことに欣びを感じた。それはまた矢代のみとは限らず日....
「死者の書」より 著者:折口信夫
あたりで生い立たれたのであろう。この国の女子に生れて、一足も女部屋を出ぬのを、美
徳とする時代に居る身は、親の里も、祖先の土も、まだ踏みも知らぬ。あの陽炎の立って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
細川家は当然断絶すべき場合でございました。そこで、細川家が再生の恩を以て伊達家を
徳とすることは申すまでもございません――その時に、細川家で家老たちが相談をして、....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
いて入洛し、将軍の位についた義昭は、万端信長の意にまかして、いかにも信長の恩義を
徳とするフリをしてみせたが、老蝮の処刑ばかりは、さすがに大いに言い張った。然し、....
「日記」より 著者:宮本百合子
不可能であると、――純粋の価値として、本能として――わかったとき。 ○ 一口に美
徳とする忍耐も、考えるべき多くの点を持って居ると思う。凝《じ》っと現状を保ち、我....
「『吾輩は猫である』上篇自序」より 著者:夏目漱石
た。両君の御蔭《おかげ》に因《よ》って文章以外に一種の趣味を添え得たるは余の深く
徳とする所である。 自分が今迄「吾輩は猫である」を草しつつあった際、一面識もな....