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「徳義心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徳義心の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
が妙に穿った軽薄な落ちを作ったからであります。この一句のために、モーパッサン氏は徳義心に富める天下の読者をして、適当なる目的物に同情を表する事ができないようにし....
文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
主張するのははなはだ世人を迷わせる盲者の盲論と云わなければならない。文芸の目的が徳義心を鼓吹《こすい》するのを根本義にしていない事は論理上しかるべき見解ではある....
私の個人主義」より 著者:夏目漱石
段に使用できるのだから恐ろしいではありませんか。すなわちそれをふりまいて、人間の徳義心を買い占《し》める、すなわちその人の魂《たましい》を堕落《だらく》させる道....
こころ」より 著者:夏目漱石
倫理的に個人の行為やら動作の上に及んで、私は後来《こうらい》ますます他《ひと》の徳義心を疑うようになったのだろうと思うのです。それが私の煩悶《はんもん》や苦悩に....
山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
説明し得なかったのであろう。これは、十分この作者としてとりあげられる種類の人間的徳義心の問題である。こういう徳義は、パーウェルの母であるとかないとかいうことでは....
夜の靴」より 著者:横光利一
讐を感じたその心の動揺であろう。不安、動揺、混乱は、まだ失われぬ都会人の初初しい徳義心の顕れだ。それにしても、私は眠い。蚤のために私は一日三時間より眠っていない....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、不品行そのものをも忌みきらった。彼らはきわめて信仰深く、道徳心強く、家庭的の徳義心に厚かったので、そういう人たちの例として、彼らの考えによれば、肉欲の罪は最....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い、われわれのために犢《こうし》を殺してごちそうをしようと言っている。われわれは徳義心深きゆえ、彼らのことばに従うことにした。貴女たちがこれを読まるる頃には、五....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
男子にして黄金のためにその心身を売り恬《てん》として顧みざるの時に当り、女史の高徳義心一身を犠牲として兄に秘密を守らしめ、自らは道を変えつつもなお人のため国のた....
食道楽」より 著者:村井弦斎
くって毒なものを長く売りたいという。実に浅ましい心でないか。食物を販売する商人に徳義心のないのは一番危険だよ」とかかる現象を文明者流に見せしめば何とかいわん。 ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
一年十二月軍隊内務書改正の折、その綱領に「服従は下級者の忠実なる義務心と崇高なる徳義心により、軍紀の必要を覚知したる観念に基づき、上官の正当なる命令、周到なる監....