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「徴発〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徴発の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第五氷河期」より 著者:海野十三
歩いていくほかはなかった。トラックや自動車はあったけれど、これはすべて、ただちに徴発されて官公用になってしまった。 放送局だけが活躍をして、さまざまのニュース....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
御納屋などと、皆それぞれの専門がある。この御納屋の特権は、良い魚類とみれば勝手に徴発《ちょうはつ》を許されていることである。御納屋の役人が或る魚を指さして、「こ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れに提供してくれるので、我れわれ従軍記者のあいだにも尊敬されていた。今夜は何かの徴発のためにこの村へ来たところが、ある支那人から妙な話をきいたので、ここには一体....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
戸の板橋に送り込まれるのが普通の路順で、途中の村々の若い百姓たちはみなその人足に徴発されて、宿々の問屋場に詰めるのが習いであった。安吉もやはりその一人で他の人足....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
農民等と一緒に武器をとって立っただけのことなのだ。 ボルシェヴィキが食料の強制徴発に来る。農民がそれに応じない。すると、その労働者と農民との政府は、すぐに懲罰....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
いる岩組の背後を洞にこしらえ、そこへ隠して置くんだからなア。これじゃア脱走武士が徴発に来ようと、薩長の奴等が江戸へ征込んで来て、焼打ちにかけようと安全だ。……と....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
を痛めた経験があるを奇貨とし、主恩で縛りあげて、無理矢理に出鱈目の感謝状と写真を徴発した。これが大正十年、肺病全快広告としてあらわれた写真の嚆矢である。 つい....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
は、つまり隊長に言わせれば、 「お前たちは俺の酒の肴になると同時に、俺の酒の肴の徴発もしなければならんぞ」 という意味なのである。 言いかえれば、赤井、白崎....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
をつい先日協議したが、それも……村では、牡馬はよほどのよぼよぼでない限り、とうに徴発されてしまって殆んど残っていなかったのだ。 結局、どうしてここを切りぬけた....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
も、やはりその著しい例でありました。 蝦夷を古語に佐伯と申しました。その佐伯を徴発して、宮門護衛の兵士に採用しましたものを佐伯部と申し、大伴氏の一族佐伯宿禰に....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
物に行くからといって自分の村から馬を連れて来る訳ではなく、その駅々からして駅馬を徴発して其馬で運送を続けて行くのですから、日に三里かよく行って四里位しか行かない....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
へ凱旋することに、軍議は一決したのだった。キャデイズの市民たちから莫大な賠償金が徴発されたばかりでなく、市街は丸裸になったうえに破壊され、そしてイギリス軍は帆を....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
て、墓守の需要はますます多くなって来る。そこで持統天皇の時に、陵墓の付近の良民を徴発して、三年交替にして陵戸の代理をさせた。無論その間課役を免ぜられるのでありま....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
もありますまい。戦場となった所では、村落や田畠が無残にも荒らされる。住民は人夫に徴発されたり、その貯えを掠奪されたり、側杖を喰って生命をまでも失ったりするばかり....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
行なわれず、徹底的な戦捷の効果は求め難かった。 3、倉庫給養 三十年戦争には徴発に依る事が多かったが、そのため土地を荒し、人民は逃亡したり抵抗したりするに至....