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徹する
「徹する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徹するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の善良な心からどこまでも葉子の言葉に信用を置いて、いつかは自分の誠意が葉子の心に
徹するのを、ありうべき事のように思って、苦しい一日一日を暮らしているに違いない。....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
立物も引き受けた。 慌しい年の暮、頼まれた正月《はる》着の仕立に追われて、夜を
徹する日が続いたが、ある夜更け、豹一がふと眼をさますと、スウスウと水洟をすする音....
「俊寛」より 著者:菊池寛
、清盛を罵り、平家の一門を呪い、陰謀の周密でなかったことを後悔し、悲憤慷慨に夜を
徹することが多かった。が、一月、二月経つうちに、そうした悲憤慷慨が、結局鬼界ヶ島....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
事情はなお恭しく聞かねばわからないがとにかく自分の真の満足を得んがために自信を貫
徹することが即ち当人の生命である。生命を失ってはそれこそ人形である。信じて進むと....
「雨」より 著者:織田作之助
近所の仕立物も引き受けた。 慌しい年の暮、頼まれた正月着の仕立に追われて、夜を
徹する日々が続いたが、ある夜更け、豹一がふと眼をさますと、スウスウと水洟をすする....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
さるような、冷いものでないだけは取柄です。ズボリと踏込んだ一息の間は、冷さ骨髄に
徹するのですが、勢よく歩行いているうちには温くなります、ほかほかするくらいです。....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
八方へ心動きながら、一所へは、瞬時も止まり居坐らぬ心の持ち主じゃ。眼光は、紙背に
徹するぞよ! ……嘘と思わば証拠を挙げようぞ。……汝、今、紙帳より一間の距離を持....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
納言にぶつかったとしたって何等狼狽することはない。堂々と計画通りに我々の初志を貫
徹するまでの話だ。なあ。清原。そうだろう! 清原 (自信なさそうに)うむ……… ....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
である。この人生及び自然の存在を措いて、現実はない筈である。それであるから現実に
徹することは、自己の生活に
徹するに外ならないのである。もし其処に似而非現実主義と....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
来たでありましょう。 地上に住む者は、地の匂いを充分に嗅がなければ、其の生活に
徹することが出来ない。それに其の地を離れた時には、もはや、自分等の本当の生活とい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
せん。これにはいろいろ手段がありますが結局、本当の確信を掴むことです。何か一芸に
徹することもよいでしょうが、仏教の信仰と修業とによって智慧を開く方法が最も正確で....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
かぬものは負となって退き、新手と入れかわる。たいてい十二時ころから始まって、夜を
徹するという。かけ歌とは、相手の歌の文句なり内容なりにかけて、それに縁故ある歌を....
「雨」より 著者:織田作之助
仕立物も引きうけた。慌しい年の暮、頼まれものゝ正月着の仕立に追われて、お君の夜を
徹する日々が続いたが、ある夜更け、豹一がふと眼をさますと、スウスウと水洟をすする....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
実も、あわせて物語るものであると言わねばならない。 そうであるなら、趣味嗜好に
徹する大臣級をして、満足させるには、料理人において、たとえ教育や学問は身に具えな....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
うがある。 昔から言う色気と食い気という問題、色気の方はしばらくおき、食い気に
徹することだけでも容易な業でないと見える。況んや調理割烹となっては道理に叶わぬこ....