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「徹宵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徹宵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
ろは未だ二十代、山の奥、竹の柱の草庵に文豪とたった二人、囲炉裏《いろり》を挟んで徹宵お話うけたまわれるのだと、期待、緊張、それがために顔もやや青ざめ、同僚たちの....
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
君の室《へや》は隣室の客を驚かす恐れあり、小生の室は御覧の如く独立の離島に候間、徹宵《てっしょう》快談するもさまたげず、是非|此方《このほう》へ御出向き下され度....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
ある。それも本当に美しくなれるならまだしもであるが、手術後の結果を見るとたいがい徹宵泣きあかしたあとのような眼になつてしかも本人は得意でいるから驚く。 いつた....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
他家のごとく窮屈に思われ、夏の夜をうちわ使う音さえ遠慮がちに、近ごろにない寂しい徹宵の後に、やッと、待ち設けた眠りを貪った。 二一 子供の起きるのは....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。それからこの室で介抱することになって、図書掛りの久我鎮子と給仕長の川那部易介が徹宵附添っていたのだが、十二時頃被害者が食べた洋橙の中に、青酸加里が仕込まれてあ....
小田原陣」より 著者:菊池寛
巡視と称して刀を従者に預けたまま、小姓四五人を連れて大声をあげて家康の陣に行き、徹宵して酒を飲んで快談した。覿面に此の効果はあがって謡言は終熄したが、要するに今....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
決して楽な仕事ではなかった。両刑事は息も凍るような寒さに、互に励まし合いながら、徹宵一睡もしないで、猫の子一匹も見逃すまいと、支倉の家を睨んでいた。 其夜は何....
もの思う葦」より 著者:太宰治
たかった。 「つまりは、もっと勉強しなくちゃいかんということさ。」「お互いに。」徹宵、議論の揚句の果は、ごろんと寝ころがって、そう言って二人うそぶく。それが結論....
惜別」より 著者:太宰治
ことに当時の人の心は、単純とでも言おうか、生気|溌剌たるもので、学生たちは下宿で徹宵、新兵器の発明に就いて議論をして、それもいま思うと噴き出したくなるような、た....
酒ぎらい」より 著者:太宰治
い人ならば、そうしておいでになる日が予めわかっているならば、ちゃんと用意をして、徹宵、くつろいで呑み合うのであるが、そんな親しい人は、私に、ほんの数えるほどしか....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
いったような、先がべたりと欠け落ちたステツレルのそれであったからだ。 その夜、徹宵フローラは、壁に頭をもたせ、うずくまるようにして座っていた。 父ステツレル....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
縁がある話でもある。 それは戦局不利に傾きつつある大晦日のことであったが、私は徹宵泥酔に及んで某女優に数時間にわたって結婚の儀を申し入れて叱られるような賑やか....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れで、医師の合田氏は、これはいけないと非常な丹精をしてくれまして、夜も帰宅らず、徹宵附き添い、薬も自身|煎じて看護してくれられました。その丹精がなかったら恐らく....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
天来に有繋の翁も磁石に吸寄せられる鉄のように喰入って巻を釈く事が出来ず、とうとう徹宵して竟に読終ってしまった。和漢の稗史野乗を何万巻となく読破した翁ではあるが、....
俗臭」より 著者:織田作之助
取引で最も儲けたのはこの二人であったから、彼等は蒼くなった。伝三郎の家に集り毎晩徹宵で協議をこらした。噂によれば、市治郎はひどい○○に掛けられているとのことだ。....