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「徹底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徹底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
書く必要はない。ただ、本間さんの議論が、いつもの通り引証の正確な、いかにも諭理の徹底している、決定的なものだったと云う事を書きさえすれば、それでもう十分である。....
或る女」より 著者:有島武郎
くびょう》な驚きと躊躇《ちゅうちょ》とで迎える事によって、倉地に自分の心持ちの不徹底なのを見下げられはしないかという危惧《きぐ》よりも、倉地が自分のためにどれほ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
、仕事の出来ない、憐れむべき男と見る外を知らなかった。私の小心と魯鈍と無能力とを徹底さして見ようとしてくれるものはなかった。それをお前たちの母上は成就《じょうじ....
片信」より 著者:有島武郎
は読まなかったことと思うが「宣言一つ」というものを投書した。ところがこの論理の不徹底な、矛盾に満ちた、そして椏者《あしゃ》の言葉のように、言うべきものを言い残し....
星座」より 著者:有島武郎
後四五日経ってから、どうした機会だったか、園はふとおぬいさんに対する自分の心持を徹底的に決めておかなければならぬという強い要求を感じ始めた。そのために昼は研究が....
想片」より 著者:有島武郎
る論者が多くなってきた。それは非常によいことだと思う。なぜならばあの問題はもっと徹底的に講究されなければならないものであって、他人の言説のあら探しで終わるべきは....
性急な思想」より 著者:石川啄木
性急《せっかち》ならざる心を以て、出来るだけ早く自己の生活その物を改善し、統一し徹底すべきところの努力に従うべきである。 我々日本人が、最近四十年間の新らしい....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
。なぜなれば、それはじつに、我々自身が現在においてもっている理解のなおきわめて不徹底の状態にあること、および我々の今日および今日までの境遇がかの強権を敵としうる....
親子」より 著者:有島武郎
」 二人の言葉はぎこちなく途切れてしまった。彼は堅い決心をしていた。今夜こそは徹底的に父と自分との間の黒白をつけるまでは夜明かしでもしよう。父はややしばらく自....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
になやむ間は、お前は本当に私の所に帰って来る資格は持ってはいないのだ。お前はまだ徹底的に体裁ばかりで動いている人間だ。それを捨てろ。それを捨てなければならぬ程に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るかによって、どういうふうに物の性質の相違が起るかということを、真に哲学者らしく徹底的細密に記述しているが、こういう事柄の煩わしい記述のために、せっかく彼の構成....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
われの力にも到底及ばない。 尚お爰で一言附け加えて置きたいのは、われ等の教が、徹底的に一切の恐怖を、人の心から剪除せんことである。要するにわれ等の使命は、神と....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
もある。人の生活にも或る華やかさがついてまわっている。けれども北海道の冬となると徹底的に冬だ。凡ての生命が不可能の少し手前まで追いこめられる程の冬だ。それが春に....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
て、その任命せる大臣六十余名、延べ百三十余名といわれ、吉田総理のワン・マンぶりは徹底して、すでに民心は吉田内閣を去っております。今こそ人心一新のときであります。....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
な』と憤激した学生は続々と会場につめかけ、来賓として出席した軍人や右翼教授たちを徹底的にヤジリ倒した。青柳団長が『わたくしは……』といえば『軍国主義者であります....