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心から
「心から〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心からの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
の上にのしかかって来るような心もちもした。私はそれらの不安な感じを払い除けたい一
心から、わざと気軽らしい態度を装《よそお》って、うすぼんやりしたランプの向うに近....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
お目見得《めみえ》をしてから二月ばかりするとそこのお上《か》みさんがふとした出来
心から店の若い者と一しょになって着のみ着のままでかけ落ちをしてしまった。そこで、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
妙な心もちが致した事は、先刻もう御耳に入れて置きました。誠にその時の私どもには、
心から御代替《ごだいがわ》りがしたと云う気が、――それも御屋形《おやかた》の中ば....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
を告げて帰った時には、私は思わず立ち上って、部屋の中の俗悪な空気を新たにしたい一
心から、川に向った仏蘭西窓《フランスまど》を一ぱいに大きく開きました。すると三浦....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《いわゆる》散茶女郎《さんちゃじょろう》の一人であった。が、彼女は勤めを離れて、
心から求馬のために尽した。彼も楓のもとへ通っている内だけ、わずかに落莫とした心も....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
必然に、底力強く進歩していかれた夏目先生を思うと、自分のいくじないのが恥かしい。
心から恥かしい。
○文壇は来るべきなにものかに向かって動きつつある。亡《ほろ》ぶ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
る事を心得ている。だからこの桃色をした紙も、恐らくはその一枚だろうと思って、好奇
心からわざわざ眼を通して見た。すると意外にもこれは、お君さんの手蹟《しゅせき》ら....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
心していますね。」
こう云う言《ことば》と共に肩を叩かれた私は、あたかも何かが
心から振い落されたような気もちがして、卒然と後《うしろ》をふり返った。
「どうで....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
り彼の良心と風馬牛《ふうばぎゅう》なのが当然である。しかし、それにも関らず、彼の
心からは、今までの春の温《ぬく》もりが、幾分か減却したような感じがあった。
事....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
て居るのでございまする。わたくしはこの心の秤《はかり》を平《たい》らに致したい一
心から、自然と多門の皿の上へ錘《おもり》を加えることになりました。しかも後《のち....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
も限らない。――こう云う不安は、丁度、北支那の冬のように、このみじめな見世物師の
心から、一切の日光と空気とを遮断して、しまいには、人並に生きてゆこうと云う気さえ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《おめでた》さとに残酷な嘲笑《ちょうしょう》を浴せかけた。最後に数人の若者たちは
心から彼に信服した。が、敵味方の差別なく彼等がいずれも彼に対して、一種の威圧を感....
「初雪」より 著者:秋田滋
くのは厭だ」と云いたかったのであろう。けれども、両親の意に逆らうのもどうかと思う
心から、ただ頸をたてに掉って、無言のうちに「行く」という返事をしてしまったのだっ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
取って歩き、あっぱれな亭主か、勇士か、紳士のようだった。ぴかぴかした翼をはたき、
心から嬉しく得意になって、鬨をつくり、ときどき地面を足で引っかき、それから、いつ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
士達に護られて墓へ運ばれ、白いネクタイをかけた人たちが、彼の棺に、哀惜の言葉と、
心からの涙を注いだのである。 ところが、その死後、いつも彼が、重罪犯人の訴訟記....