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心に残る
「心に残る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心に残るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
はあったけれども、葉子はいかにも親しみをこめた別れの言葉を与えはしたが、あとまで
心に残る人とては一人《ひとり》もいなかった。その晩事務長が来て、狭っこい bou....
「女人訓戒」より 著者:太宰治
が非常に巨大の無気味の魚を、たしなみを忘れて食い尽し、あとでなんだかその魚の姿が
心に残る。女性の心に深く残るということは、すなわちそろそろ、肉体の細胞の変化がは....
「旅愁」より 著者:横光利一
不似合な大胆さも潜めていて、上唇の小さな黒子が片頬の靨とよく調和をとって動くのが
心に残る表情だった。
次の日、地中海は荒れて船の動揺が激しくなった。矢代は夕....
「今日の読者の性格」より 著者:宮本百合子
それにしても、百円札をもって来た若い職工さんの話などは今日の時代を語ってなかなか
心に残る話である。 昔円本が売れた時代の一般の心理に立ちいってふれてみれば、あ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なばかばかしいことにかかわっていられない。金蔵が恨もうと、お豊が帰るまいと、別に
心に残ることはなかったが、兵馬が去ってから後の室町屋には大変が出来《しゅったい》....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
情ない、奇妙な話にちがいありません。けれども、この話は奇妙でありながら、何か人の
心に残るものがあります。読んだら忘れられない話のようです。 では、こんな不思議....
「源氏物語」より 著者:紫式部
であったから、院は御安心をしておいでになるのである。 「私はもうこの世に遺憾だと
心に残るようなこともない。ただ内親王たちが幾人もいることで将来どうなるかと案ぜら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す。手紙が自分で読めると、何かの時に繰り返し繰り返しみるから、書かれていることも
心に残るのですが、何かの折忙しくさっと一度だけ及び腰で読まれてそれきりだと、特に....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
をはめました。それから、たのしい談笑とくちづけがつづき、よい思い出としてみんなの
心に残ることばかりでした。 やがて、めいめい仕事をはじめました。仕事は晩のお芝....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
どうも、あまりりっぱすぎるくらいだ。それを聞く者を、神よ助けたまえ、聞いたあとで
心に残るのは、ただもう死にたいという考えばかりだ!」
それらの言葉を聞いてる者....
「湖水と彼等」より 著者:豊島与志雄
ていたが、そのまま舟へ入った。 彼女は緊《しか》と舟の艫《とも》を掴んだ。何か
心に残るものがあった。でもそのまま力を込めて舟を押した。舟はスーッと渚を離れた。....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
らしいともいうべきしぐさであるにもかかわらず、なぜか、それが私の心をうった。妙に
心に残る情景だった。 第三日 一、風は依然として吹きつづけ、来るべき船....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
たしかに印象的です。……最も心のやさしい女性の象徴として、いつまでも、われわれの
心に残るでしょうから……」 あとの三人は、何もいわなかった。 原田氏と黒江氏....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
俵を持って遠縁の井上家の死籍相続人になった。「初めに言葉あり」。しかし人の歴史は
心に残る最初の記憶から始まる。私の場合、それは五歳のころの寺子屋時代であった。な....