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心の友
「心の友〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心の友の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
形の書物に読みふけっている。それはKと言って、君が岩内の町に持っているただ一人の
心の友だ。君はくすんだガラス板に指先を持って行ってほとほととたたく。Kは機敏に書....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
におちて行く舞台の上の人々を哀れむ。」と。 大家は、東西両洋ともに、見る人を腹
心の友とする手段として、暗示の価値を決して忘れなかった。傑作をうちながめる人たれ....
「柳毅伝」より 著者:田中貢太郎
た。 「これはわしが悪かった、どうかこらえてくれ」 毅と銭塘君はそのときから知
心の友となった。翌日になって毅が帰ることになると、洞庭夫人が潜景殿で送別の宴を張....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
宿る辞世の言葉は―― 水のごとくも来たり、風のごとくも去る身よ! 38 同
心の友はみな別れて去った、 死の枕べにつぎつぎ倒れていった。 命の宴に酒盛りをし....
「連環記」より 著者:幸田露伴
の如く通ずるを信ずるに至ったでもあったろう。仏乗の研修は寂心の教導のみならず、寂
心の友たり師たる恵心の指示をも得て、俊敏鋭利の根器に任せて精到苦修したことでもあ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
はほとんど何でも任すことが出来る男だった。 彼はのっぽのジョン・シルヴァーの腹
心の友であって、彼の名を挙げると、私は自然、皆が|肉焼き台(註四二)と呼んでいる....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
わたる多くの事柄を並べたてていた。あるいは、六十歳にもなる主人公が、自分の娘を腹
心の友としていた。彼は娘に自分の情婦のことを話し、娘は彼に自分の情人らのことを話....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
まれずにすんだ。 ところが軍との悪因縁はどこまでも附きまとう。 先生の無二の
心の友であった老いたる女傑が、軍を恨んで自殺して果てたのである。この女傑は蔦づる....
「友人」より 著者:上村松園
、税所敦子――そのほかいくらでもある。 楊貴妃、西太后……数えればきりがない。
心の友は永久に別れることのない友である。 私は友人に逢いたくなると画室に入って....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
もちならぬ毒気に当てられて、やりきれなくなってしまう。 たかが小娘のパンパンを
心の友であるかのように、一ぱし深処に徹して契りを結んでいるかのような、平静や落付....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
しかしその背後には、もっともっと怖ろしい人物が居るのだ。あのモリアーテー教授の腹
心の友で、かつて僕に断崖の上から、大石をころがして落した男、――ロンドン中で最も....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
であったのであるが、幸いにしてかつまた不幸にして被告の非行を看破すると、もはや腹
心の友とは認め得ないその叛逆者を、国家の聖なる祭壇に捧げようと決心したのである。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
云うんだい? 清原 (もはや全く気もおろろに、譫言のごとく)わらべ達はなよたけの
心の友達なのさ! なよたけが心を許しているのはわらべ達だけなのさ! わらべ達はひ....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
。そして斯人、今わたくしを瞻っているこの立像の主は、嘗て、わたくしのこの上もない
心の友だったのです。陰惨事|繁き今の時代には、その情はまた是非わたくしに必要なも....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
い何か胸に思いあたることはないもんでしょうかね? こんな唄がありましたっけ――『
心の友がないままに、ふさぎの虫にとり憑かれ』ってね。ところで奥さん、このふさぎの....