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心の外
「心の外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心の外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしゃれ童子」より 著者:太宰治
かいてしまいました。お洒落ではあっても、心は弱い少年だったのです。とうとうその苦
心の外套をも廃止して、中学時代からのボロボロのマントを、頭からすっぽりかぶって、....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
ろう。しかしそは皆利己心より出づるにすぎない、本質を異にせる者の相互の関係は利己
心の外に成り立つことはできないのである。ロバルトソン・スミスも「宗教は不可知的力....
「如是我聞」より 著者:太宰治
ある。うれしい筈がないと私には確信せられる。日本という国は、昔から外国の民衆の関
心の外にあった。(無謀な戦争を起してからは、少し有名になったようだ。それも悪名高....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
その氏はしかも愛を骨子とする宗教論のなかに「本質を異にせるものの相互の関係は利己
心の外に成り立つことはできないのである」といってる。私は自己存在に実在的に醒めた....
「雷」より 著者:海野十三
は静かな湖水の水のように鎮まっていった。昔は昔、今は今である。今は夫英三に仕える
心の外に、何物もない。何者にも恐れることはないのだ。恐らく四郎は、あの日、彼を裏....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
」は社会心と一般に呼ばれるものの代表者である。社会心の概念はマクドゥーガルの集団
心の外にいくらでも数えることが出来るだろう。Espinas の conscien....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
かりしていました。 僕は妻へ誓いはしたものの、どうしても沢子のことを忘れる――
心の外へ追い出すことが出来なかったのです。その上、妻と僕との間は、また以前通りの....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
もう何でもありませんわ。あんな意気地のない人のことなんか、どうだって構わない、私
心の外におっぽり出してしまいますわ。そりゃ変なことを仰言るんですもの。あなたはこ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。窓ガラスの外側で羽ばたきしてる昆虫《こんちゅう》のように、コリーヌの面影が彼の
心の外で飛び回っていたが、彼はそれを心の中にはいらせなかった。
汽車が向こうに....
「哲学入門」より 著者:三木清
存在について考え、真理はもと存在のうちにあると見ているのである。模写説に依ると、
心の外にある物が心に写され、それが物と一致しているとき真理である。模写説は超越的....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
不足することは決してなかったであろう。この純粋な、利害を超越した戦争と冒険の愛好
心の外に、時には、内乱、戦勝敵国の圧迫、より温暖な気候への憧れ、またはその他の原....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、気質や性格を含めた人間の味いとして、相手を、或は惹きつけ、或は反撥させ、或は関
心の外におくというような、非常に微妙な効果を発揮する心身相伴った能動的な力であり....
「マルクス主義と唯物論」より 著者:三木清
る意志の客体であるの故をもってのみ、もともとはじめて、悟性の客体なのである*。」
心の外に世界が実在するか否か、そしてこの世界が感性的物質的であるか否か、の思弁的....
「自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
》らずというのである。恐らく人間と生れた最大の権利は自分の心に従うことであろう。
心の外に別の法なし、少くとも心に優る法律はない、勿論この理《ことわり》を極端に説....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
だった。――人はやはり品ではない。溶けきれないもどかしさを徒らにふたりはいつまで
心の外側にむかい合っていたままだった。 「……そなた、武者の家の生活はまだ知るま....