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心の糧
「心の糧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心の糧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
小さな物の影すらわたしの心に射《さ》すことは出来ませんでした。富も栄華もわたしの
心の糧《かて》ではございませんから……旅からお帰りに成って半月ほどの間、なんにも....
「如是我聞」より 著者:太宰治
ば、お便所の臭いのように私を、たよりなくさせるのだ。 わびしさ。それは、貴重な
心の糧だ。しかし、そのわびしさが、ただ自分の家庭とだけつながっている時には、はた....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
れをかくかもしれない。自分には猫の事をかくのがこの上もない慰藉であり安全弁であり
心の糧であるような気がする。 Miserable misanthrope この....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
、新しい気分で自分の仕事に全力を注ぐことができた。先生というものの存在そのものが
心の糧となり医薬となるのであった。こういう不思議な影響は先生の中のどういうところ....
「科学の常識のため」より 著者:宮本百合子
もまた比類は少いだろうと思う。若い女のひとたちは山へも登って、自然の容相にどんな
心の糧を見出しているのだろうか。 山に関する本もどっさりあろうと思う。しかし、....
「国民学校への過程」より 著者:宮本百合子
に一般から重大な関心をもって視られているし、工場や雇われ先での明け暮れに稚い若い
心の糧の欠乏していることの害悪も、やはり人々を憂えさせている事実である。 昭和....
「公のことと私のこと」より 著者:宮本百合子
って元気よく、一日の活動に出発する第一の食事をなさるその時間に、ラジオは耳から、
心の糧を送ろうとして、この時間のプログラムは考えられているのでしょう。けれども、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
上さんは、ちょうどその種の書物を読むくらいの知識を持っていた。彼女はそれを自分の
心の糧《かて》とした。貧しい頭脳をすっかりそれにおぼらした。そのため、まだ若かっ....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
いて、冷りとする時がある。然し僕はやはり、感傷をも郤けないで、理想や信念と共に、
心の糧としてゆきたいのだ。陳君にもこれから感傷を少し吹きこんでやるつもりだ。」 ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
しては、許されるかぎりのよい教養を与えてくれたのである。そして浄瑠璃は無学な父の
心の糧であったのだ。父はこの中から何でも引き出して、生活と心ばえとの準拠としたの....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
が人間の姿であります。その人間の姿をいろいろな形で示すことが、それらの一般の人に
心の糧を与えてやることになる。俳優はそういう意味での糧を一般の人に与えなければな....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
べきではあるまいか。だいいち、このような型の感傷、このような型の文章は、戦争中「
心の糧になるゆとりを忘れるな」という名目で随分氾濫したし、「工場に咲いた花」「焼....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
この聖鳥の如くに、わたくしも亦暗い時の間には、斯人の手にうち伏し、うち縋り、わが
心の糧――深き夢をば求めました。ああ、わたくしにはあなたの像を、唯木の葉、花の枝....
「変身」より 著者:カフカフランツ
楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。彼にはあこがれていた未知の
心の糧への道が示されているように思えた。妹のところまで進み出て、彼女のスカートを....
「広告」より 著者:伊丹万作
とぞ彼の本を買つてください。 彼の本はおそらく私のこの雑文集に何十倍するだけの
心の糧を諸君に提供するに違いない。 彼の本は沙羅書店から出ている。 おわりに....