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心の花
「心の花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心の花の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
ぬの若者である。 受け取った封書を持って、行燈の前にすわった三右衛門は、先ず燈
心の花を落して掻き立てた。そして懐から鼻紙袋を出して、その中の眼鏡を取って懸けた....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。信徒の労力を吸って肥えて居る教師もある。然し斯せち鹹い世の中に、人知れず美しい
心の花を咲かす者も随処にある。此春妻が三軒茶屋から帰るとて、車はなしひょろ/\す....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
壁を隔てて男女の主人公が舌戦を交える場面、もう一つは結婚式の祭壇に近づきながら肝
心の花嫁の父親が花嫁に眼前の結婚解消をすすめる場面である。 婦人の観客は実にう....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
もあり『番紅花』『詩歌』『朱欒』等のほか、片山広子のアイルランド劇研究の載った『
心の花』もあるという盛観であった。 伊藤野枝が引きついで満一年後の大正五年の新....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
抜持って……」 肩に綾なす鼓の手影、雲井の胴に光さし、艶が添って、名誉が籠めた
心の花に、調の緒の色、颯と燃え、ヤオ、と一つ声が懸る。 「あっ、」 とばかり、....
「葦笛(一幕)」より 著者:宮本百合子
かねて居るのじゃ。 まちかねて気の狂いそうなものさえある! 第二の精霊 お主の
心の花の咲くのをまちかねて居るのじゃ、幼子の様なお主の瞳にかがやきのそわるのをま....
「シンデレラ」より 著者:水谷まさる
シンデレラを讃《たた》う 神につながる心持つ 世にも可憐なシンデレラ 雨風つよくあたるとも
心の花は散りもせず。 魔法の杖の一振に たちまち清き麗姿《あですがた》 四輪の馬....
「カストリ社事件」より 著者:坂口安吾
んだ、と、事もなげに言ったものだ。あげくに、ポンと二十万、小切手をくれた。元来小
心の花田が、犯人の如く、心細く窓口に待つところへ、ホンモノの二十万円が事もなげに....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
て》にあり。――半生|漸《ようや》くすぎてかへり見る一生の「白き道」に咲き出でし
心の花、花としいはばなほあだにぞすぎむ。――さはれ、その夢と悩みと憂愁と沈思との....
「初看板」より 著者:正岡容
もらえないのか、そう気がついたところに、蓮の花がひらくよう、パチンと音立てて私の
心の花はひらいてきました。 陰気だったんだ、私の芸は。もともと、口調がムズムズ....
「不苦心談」より 著者:森鴎外
せられたのは決して、徒労ではなかった。 私は自分の訳本ファウストについて、一度
心の花に書いたことがある。その中に正誤表を作った事や、象嵌で版型を改めた事を言っ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
留めなましと、私が花魁に勧めたのざますのサ、前から取ってるの何んのって、そういう
心の花魁か花魁でないか大概分りそうなものざいますね」 伊「合槌を打って旨く云って....
「はつ恋」より 著者:神西清
い発見は、わたしを押しつぶしてしまったのである。……一切は終りを告げた。わたしの
心の花々は、一時に残らずもぎ取られて、わたしのまわりに散り敷いていた。――投げ散....