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「心の闇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心の闇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
、何を為しつつあったか? 私には全く反省力が欠けているのか? 否、私は自分の心の闇を見詰めるのが恐ろしいのであった。然もそれは結局|発《あば》かれずに済まさ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
とにでもなっているようす」 両の袖をしっかり胸におさえてお露は足を早めながら、心の闇から外の暗《やみ》へ、苦しいひとり言《ごと》を吐《は》きつづける。 「とて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の外の闇はいよいよ暗くして、雨は相変らずポツリポツリ、風もザワザワと吹いている。心の闇に迷い疲れた竜之助は、こうしたうちにも、うつらうつらと夢裡《ゆめ》に入る。....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ではあるが思う同士。目を見交したばかりで、かねて算した通り、一先ず姿を隠したが、心の闇より暗かった押入の中が、こう物色の出来得るは、さては目が馴れたせいであろう....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
神様からのお神使なのでございます。私はこのお方の一と方ならぬ導きによりて、辛くも心の闇から救い上げられ、尚おその上に天眼通その他の能力を仕込まれて、ドーやらこち....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
毒を人間界に流し得るかを会得したであろう。身を切る如き絶望の冷たさ、咫尺を弁ぜぬ心の闇、すべてはただ人肉のうめきと、争いとであった。さすがに霊界の天使達も、一時....
源氏物語」より 著者:紫式部
おしまいになったと心に歎《なげ》かれた。気が変になるほどであった。 つきもせぬ心の闇《やみ》にくるるかな雲井に人を見るにつけても こう思われて悲しいのであ....
源氏物語」より 著者:紫式部
けでもないのですから。 そむきにしこの世に残る心こそ入る山みちの絆なりけれ 親の心の闇を隠そうともしませんでこの手紙を差し上げるのもはばかり多く思われます。 ....
源氏物語」より 著者:紫式部
へはいるのはどんなものであろうと不安に思召されるのであった。帝も子をお愛しになる心の闇は同じことなのである。尼宮の所へ勅使がまいり、お手紙のあった中にも、ただ女....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
密な怪物を持っている、心中にいだいている苦悩を、身を噛《か》む竜《りゅう》を、内心の闇《やみ》の中に住む絶望を。かかる人も普通の者と同じようにして暮らしている。....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
申すは、前申上げました通り、おかめの心得違というものは恋という煩悩の雲がかゝり、心の闇に迷いまして一通りの間違いではない、原丹治と密通をいたし、現在の娘を唆かし....
魔像」より 著者:林不忘
闇黒《やみ》だった。 周囲も闇黒だったし、心も闇黒だった。心のやみ、若い女の心の闇黒――と言えば、それは、恋以外の何ものかであり得るだろうか。 お妙は、あ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
を見据えていると、犬猫ならでもだんだん周囲の所在が朧に見えてくるようにいま圓朝も心の闇の中に薄々行く手の何ものかの見えだしてくることを感じたのだった。今少し咽喉....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
。縁語を用いたる句、 春雨や身にふる頭巾《づきん》著《き》たりけり つかみ取て心の闇の螢|哉《かな》 半日の閑を榎《えのき》や蝉《せみ》の声 出代《でかはり》....
雪柳」より 著者:泉鏡花
、一つ灯にただ松一つ、一本松こそ場所|屈竟と、頃は五月の日も十四日、月はあれども心の闇に、迷う手と手の相合傘よ、すぐに柄もりに袖絞るらむ。心細道岩坂|辿り、辿り....