心を引く[語句情報] »
心を引く
「心を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
映画製作者の意識には上らなかったような些事《さじ》で、かえって最も強くわれわれの
心を引くものが少なくない。たとえば獅子《しし》やジラフやゼブラそのものの生活姿態....
「新生」より 著者:島崎藤村
き萎《しお》れたようなプラタアヌの若葉の下を歩いて行った。
岸本に取っては旅の
心を引く一つの事蹟《じせき》があった。他でもない、それはアベラアルとエロイズの事....
「刺繍」より 著者:島崎藤村
ば猶《なお》好い。移り気も一概には退けられない。不義する位のものは、何処かに人の
心を引く可懐《なつかし》みもある。ああいうおせんのような女をよく面倒見て、気長に....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
を掛け、時々余の前でも秀子を詮議せぬと可けぬと云わぬ許りの口調を用うる、是は余の
心を引く為で有ろう、余は併し真逆に秀子が人間一人を吹き消す事が出来ようとも思わぬ....
「海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
でが会得されるような気がする。 が、それと共に、自然の風物もいまでは、痛く私の
心を引く。絶対安静の病床で一カ月も米杉の板を張った天井ばかりを眺めて暮した後、や....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ぬ水蒸気の群が細線の集合の如く寒い空に懸り、その蕭条とした趣は日没などに殊に私の
心を引く。その頃には、軒の氷柱も次第に長くなって、尺余に及ぶのもある。草葺の屋根....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
云って見ようかということを散々迷った。 けれども、どんなことを云ったら、子供の
心を引くことが出来るか分らなかったので、四苦八苦してようよう、 「どうしているの....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
す事なく、一昼夜に三度ずつこの鐘を打っていた。 山沢、花は人の目を誘う、水は人の
心を引く。君も夜叉ヶ池を見に来たと云う。私がやっぱり、池を見ようと、この里へ来た....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いたとしたら、発見者は非常にうれしいでしょう。意外であったということは十分に男の
心を引く力になります。父親がもういいかげん年寄りで、醜く肥《ふと》った男で、風采....
「源氏物語」より 著者:紫式部
その人を忘れている時は少ないのである。これまでは空蝉《うつせみ》階級の女が源氏の
心を引くようなこともなかったが、あの雨夜の品定めを聞いて以来好奇心はあらゆるもの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
を人の結ばんことをしぞ思ふ」と業平が言っている絵をどんなふうに御覧になるかと、お
心を引く気におなりになり、少し近くへお寄りになって、 「昔の人も同胞は隔てなく暮....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
なくすくんでいた。けれども次第に馴《な》れて来るとまだ見ぬ庭の木立の奥が何となく
心を引くので、恐々《こわごわ》ながらも幾年か箒目《ほうきめ》も入らずに朽敗した落....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
に間もなく水茶屋の娘でお品という女が、お篠と顔立ちが似ているところから、新八郎の
心を引くこととなり、新八郎はお品と睦んだ。がどうだろうそのお品も、二、三日前に松....