心を砕く[語句情報] » 心を砕く

「心を砕く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心を砕くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
《くだん》の巌に当って左右に分れて二筋となって落ちるのが身に浸《し》みて、女滝の心を砕く姿は、男の膝に取ついて美女が泣いて身を震《ふる》わすようで、岸に居てさえ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
らであった。名古屋の藩黌明倫堂に学んだ人たちの中から、不二麿のような教育の方面に心を砕く人物を出したことも、彼には偶然とは思われない。今は文部教部両省合併で、不....
今日の耳目」より 著者:宮本百合子
これ迄とはちがったものになりかかっている最中のことだから、出る前の話もいろいろと心を砕くわけだろう。 そう思って店で立話している人々の表情も今日の世相の中に汲....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して、罪を持たずに生きている者はございません、もろもろの災難はみな、人間の増上慢心を砕く仏菩薩のお慈悲の力なんでございます」 弁信法師が息をもつかず答えてのけ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ことを考えて、わが愛する者のために、また自分に自由を求めた女のために、さまざまに心を砕くのは、鏡の持ちぬしたるコスモとしてはある程度までは当然のことである。こう....
生きること作ること」より 著者:和辻哲郎
ただ真実の道を歩め。 怒りをもって怒りを鎮める事はできない。主我心をもって主我心を砕く事もできない。それをなし得るのはただ愛のみである。 怒りは怒りをあおり....
食道楽」より 著者:村井弦斎
つ大原君に説いて婚礼延期の事を取計《とりはから》ってくれ給え」と、兄は妹のために心を砕く。妹のお登和嬢何事も言わねば頻《しきり》に小山を仰ぎ見て窃《ひそか》に答....