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心丈夫
「心丈夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心丈夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
言葉であった。
「ああ、今夜もまた寂しいわね。」
「せめて奥様が御病気でないと、
心丈夫でございますけれども――」
「それでも私の病気はね、ただ神経が疲れているの....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
においては、決して東京の連中に負けはしないと、俺はあの研究室を見た時に、まったく
心丈夫に思った。 その上に、俺は京都そのものが気に入った。ことに今日、大学の前....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に教練するつもりであったのです。こんにちと違いまして、その頃に一万人の兵があれば
心丈夫です。ところが、その募集が思うように行かないで、しまいには誰でも構わずに採....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
たすな、若し敵の知れた其の時は、此の飯島が助太刀をして敵を屹度討たせてやるから、
心丈夫に身を厭い、随分大切に奉公をしろ」 孝「殿様本当にあなた様が助太刀をして下....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
て、仮令相手は何んな侍でも文吉が助太刀をして討たして遣るから、決して心配せずに、
心丈夫に思って居るが宜いが、此の連れの方は何ういう人だと問われて、是もこれ/\と....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ば火星を訪問して、地球へ戻るには十分すぎる。マルモ隊長はじめ全隊員は、どのくらい
心丈夫になったかしれない。 「おや、来たらしいぞ。あの地ひびきは、月人の大軍が近....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
がしてなりません。提督が司令塔にお詰めくだされば、わが飛行島の当直全員もたいへん
心丈夫です」 スミス中尉は、提督が悪夢におびえて睡られなくなったのだとは知らな....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
の事が決りませんで、私が只一人でじゃ/\張ってお側にお附き申して居りますから、お
心丈夫に入らっしゃいと申して、種々深い理由があって今度は当地へ湯治が宜かろうと仰....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
うまく毎朝一度通じがあるんだ。さすがにまだ夏の監獄の気が抜けずにいるんだと思って
心丈夫に思って居たら、大晦日の晩から下り出して、とうとう本月の初めまで下痢で通し....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の身辺に引き添って、貴殿あやうしと見て取るや、出でて、必ずお助太刀いたす! ……
心丈夫にお持ちなされい! ……これで可い、さあ行こう!」 街道目掛けて走り出し....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
と」 「ええ、仕方が有りませんから……旦那様が夜道を成さるのは私に取って何よりも
心丈夫で御座います。お邪魔に成らないように、お後から附いて参ります」 「それはお....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のお話をなさるのでもなく、ただ枕元に坐っていられるだけでも、兄にはそれが何よりも
心丈夫らしく、尋ねた時に賀古氏が来ていられると聞くと私までが、よかった、と思った....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なたの地位を安固なものにするのに大いに役立つことと存じます。あなたはしっかりした
心丈夫な気がします。 謙さんなどもやがて社会のなかの自分について一つの困難に遭....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。それとも汽船の方が遅いかな。」 「そりゃ遅れるでしょうね。向うが。」 「だが、
心丈夫ですな。」 そうだそうだと、誰もがこの時は同感したであろう。永い間自分た....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
った、岳に近づいた所為もあろうがどうも空模様が面白くない。唯だ割合に雲が高いので
心丈夫だ。渓はそろそろ浅くなって、至る処に雪の働いた跡が見られる、其処には山を出....