心中[語句情報] » 心中

「心中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
の時に私が妻を殺害《せつがい》した顛末《てんまつ》は元より、これまでの私の苦しい心中も一切打ち明けなければなりますまい。それが小心な私には、いざと云う場合に立ち....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
に店の勘定をごまかして、遊びに行った事が度々あるが、その頃、馴染みになった女に、心中をしてくれと云われて弱った覚《おぼえ》もある。とうとう一寸《いっすん》逃れを....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
我《おおけが》をさせたというじゃありませんか? このほかにもまだあの男には、無理心中《むりしんじゅう》をしかけた事だの、師匠《ししょう》の娘と駈落《かけお》ちを....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
聞きに達する事でもございますと、上べは苦笑いに御紛《おまぎら》わしなすっても、御心中の御怒りはありありと御顔に読まれました。現に内裡《だいり》の梅見の宴からの御....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
しゅんきゅう》の中からぬけ出したような、夕霧や浮橋のなまめかしい姿と共に、歴々と心中に浮んで来た。如何に彼は、この記憶の中に出没するあらゆる放埓の生活を、思い切....
老年」より 著者:芥川竜之介
をおぼえて、二十五の前厄《まえやく》には、金瓶大黒《きんぺいだいこく》の若太夫と心中沙汰になった事もあると云うが、それから間もなく親ゆずりの玄米《くろごめ》問屋....
路上」より 著者:芥川竜之介
象を与えはしないだろうかと気づかった。と同時にまた初子の眼には、それでもまだ彼の心中を裏切るべき優しさがありはしまいかとも思った。が、初子は二人の応対《おうたい....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
――おれも都には未練《みれん》はないが、姫にだけは一目会いたい。」 わたしは御心中《ごしんちゅう》を思いやりながら、ただ涙ばかり拭《ぬぐ》っていました。 「し....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
雨脚へやって、「私ももう覚悟はして居りました。」と気味の悪いほど静に云いました。心中――そう云う穏ならない文字が、まるで燐《りん》ででも書いたように、新蔵の頭脳....
或る女」より 著者:有島武郎
して木部と別れて以来絶えて味わわなかったこの甘い情緒に自分からほだされおぼれて、心中《しんじゅう》でもする人のような、恋に身をまかせる心安さにひたりながら小机に....
或る女」より 著者:有島武郎
像を掘りあてた人のようにおもしろがった。 「わたしが愛子の年ごろだったらこの人と心中《しんじゅう》ぐらいしているかもしれませんね。あんな心を持った人でも少し齢《....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
物――当時の出来事などが仕組まれてありました。が、私の記憶しているのでは、何でも心中ものが多かった。こんなのを薄暗い処を通って段々見て行くと、最後に人形が引抜き....
」より 著者:池谷信三郎
、新大臣のお孫さんの笑顔だとか、花嫁の悲しげな眼差し、あるいはイブセン、蒋介石、心中、保険魔、寺尾文子、荒木又右衛門、モラトリアム、……等といっしょに、荒縄でく....
可愛い山」より 著者:石川欣一
ている。もう十数年間、可愛い、可愛いと思っているのだから、男女の間ならばとっくに心中しているか、夫婦になっているかであろう。いつも登りたいと思いながら、まだその....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
威張りましたよ。旦那が、後で、「お前が腹這いになった時の様子っては無かった。鱸と心中する積りだったのだろう」って、お笑いでしたが、あれらは、能くよく運の尽きた鱸....