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「心任せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心任せの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
ていない。東西南北共に天に作った路であるから、轍《わだち》の迹《あと》は行く人の心任せに思い思いの見当《けんとう》に延びて行く。 支那人の馬車が来た。屋根に蒲....
真田幸村」より 著者:菊池寛
幸は思えるならん。我は、幸村と思う所等しければ、幸村と共に引き返すべし。信幸は、心任せにせよと云って別れたと云う。 この会談の場所は、佐野天妙であるとも云い、....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《はこ》ぶのを期するのは至当の訳で、然《さ》無《な》くても軍隊の中に於ては下々の心任せなどが有ってはならぬものであるが、それでも自らに寛厳の異があり程度がある。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い、国に残る妻子眷族《さいしけんぞく》のことが気にかかるものあらば、それもまたお心任せ」 酒井賢二郎は一同を見渡して念を押すと、静まり返った中から、 「いかに....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
仁こういう事が大好きじゃ、平に一番遣らせてくれ。 村越 (ともに笑う)かえってお心任せが可いでしょう。しかし、ちょうど使のものもあります、お恥かしい御膳ですが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
世間話も、身の上話もないが、君の方は世間慣れているから、種があるだろう、何でも、心任せに話してくれないか、修行中の僕等は、なんでもかでも善智識の教えとして聞くよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で静かに病を養いたいというこの子の希望もさまたげる気はありません、お前はお前で、心任せに熊本へおいでなさい、そうして、梶川様、あなたもどうか弟を見まもって九州へ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
す」 「どうしても、わたしが邪魔になりましょうね」 「いいえ……私は、あなたのお心任せにするつもりでいます、場合によっては、あの者共の同行をもことわるつもりです....
南国太平記」より 著者:直木三十五
「然し、余の事とちがい、父の心一つにて決することゆえ、お志は忝ないが、万事父の心任せに――」 「そういうとは、身も、承知して参った。然し、お身のために、いろい....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
が、ただ一切あたりに心を使わず、体の動く間は研究室に通って、自分の思うことだけを心任せにしていたのがよかったのでしょう。家族の者も、主人に心配させるようなことは....
ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
※流れの泉色も香も愛給わればいそいそと花に習うてちらりとそこに情の通う若たちの心任せに紐ときて上の下のととる手も狂うヨイヨイヨイヨイヨンヤサソレヘ ※豊な御....
法然行伝」より 著者:中里介山
そこで夜更けてから見る人もなく、聴く人も無い時、そっと起きていて百遍でも千遍でも心任せに申した念仏は飾る心がないから仏の意にも相応して本当の往生が出来るというも....