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「心像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心像の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つくと無遠慮に莨を要求して、一口|甘そうに吸い込むと云った。 「さて法水君、僕の心像鏡的証明法は、遺憾ながら知覚喪失だ。だいたい廻転椅子がどうだろうがこうだろう....
もの思う葦」より 著者:太宰治
君も言っていた。(中略)兎に角、私の心の驚きは今日まで自分の胸に描いて来た芭蕉の心像を十年も二十年も若くした。云々。」 露伴の文章がどうのこうのと、このごろ、....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
に読んでいた所がいろいろなアルコールの種類を記述したページであったためにそういう心像の位置転換が容易にできたものと思われる。 人間の頭脳のたよりなさはこの一例....
疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
つは心理的な側からするものであって、それは、暗示の力により、自分の期待するものの心像をそれに類似した外界の対象に投射するという作用によって説明される。枯れ柳を見....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
これらの材料の空間的モンタージュによって、これらの材料の一つ一つが単独に表現する心像とは別に、これらのものを対合させることによってそこに全く別なものが生じて来る....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
あろう。この、画題と俳句との相違はどこから生まれるかというと、それは対象の象徴的心像の選択と、その排列と、句をはたらかせる言葉のさばきとであり、なかんずく重要な....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
ある。しかし、どんな式服を着ていたかと聞かれると、たった今見て来たばかりの花嫁の心像は忽然として灰色の幽霊のようにぼやけたものになってしまう。 「あなたの懐中時....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
りも大切なことは、映画の写し出す視覚的影像の喚起する実感の強度が、文字の描き出す心像のそれに比較して著しく強いという事実がこの差別を決定する重要な因子になるので....
地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
ろう。それが「地図の言葉」で読めばただ一目で土地の高低起伏、斜面の緩急等が明白な心像となって出現するのみならず、大小道路の連絡、山の木立ちの模様、耕地の分布や種....
木犀の香」より 著者:薄田泣菫
いといふことを忘れてはならぬ。 草木の花といふ花が、時にふれ、折につけ、私達の心像に残してゆく印象は、それぞれの形と色と光との交錯したものに他ならないが、ひと....
地震雑感」より 著者:寺田寅彦
地震というものの概念は人々によってずいぶん著しくちがっている。理学者以外の世人にとっては、地震現象の心像はすべて自己の感覚を中心として見た展望図に過ぎない。震動の筋肉感や、耳に聞こ....
KからQまで」より 著者:寺田寅彦
らしい聯想の鎖も見付からないのである。青い芋虫と真紅の肉片、家鴨と眇目の老人では心像の変形が少しひど過ぎるが、しかしこの偶然な一と朝の経験から推して考えてみると....
帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
、そしてからりと晴れたような朝、清冽な空気が鼻腔から頭へ滲み入ると同時に「秋」の心像が一度に意識の地平線上に湧き上がる。その地平線の一方には上野|竹の台のあの見....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。「天工を奪うとはこの事だ」と。 鶴見の輪廻観は要するにこの流転世界に対応する心像を因子として個想の発揚が欲求される創造観である。刹那に永遠を照見する幻想の色....
宇都野さんの歌」より 著者:寺田寅彦
いとがある。 作者の本当の顔を知っている場合には、歌によって呼び出される作者の心像の顔は無論ちゃんと始めから与えられたものである。それにもかかわらず、作者によ....