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「心切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心切の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
》を通ろうじゃあないか。罰のあたらないのが不思議さね。もうもう今日という今日は発心切った。あの醜婦《すべった》どもどうするものか。見なさい、アレアレちらほらとこ....
蟇の血」より 著者:田中貢太郎
したって、この家から帰って往かれはしないよ、お前さんはばかだよ、私達が、こんなに心切に云ってやっても判らないのだね」 「強情はったら、帰れると思ってるから、おか....
胡氏」より 著者:田中貢太郎
った。 そこで富豪は幣を出して胡を自分の家へ置いた。胡は児を教育するにあたって心切で勤勉であった。それに学問が博くてしたっぱな人間でないということが解った。そ....
竹青」より 著者:田中貢太郎
ていますから、故郷へ帰ることはすくないのですが、鴉の使いが二度も来て、あなたの御心切を知らしてくれましたから、お眼にかかりに来たのです」 魚はますます喜んだ。....
みちの記」より 著者:森鴎外
須坂より遠からずと教えらる。滝の話は、かねても聞きしことなれど、往て観んとおもう心切なり。 二十六日、天|陰りて霧あり。きょうは米子に往かんと、かねて心がまえ....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
。しかし若崎の何か勘ちがいをした考を有っているらしい蒙を啓いてやろうというような心切から出た言葉に添った態度だったので、いかにも教師くさくは見えたが、威張ってい....
庚娘」より 著者:田中貢太郎
、動いて色が変りますから、心がゆるされませんよ。」 金はそれを承知したが、王が心切に大きな舟をやとって来て、代って荷物を運んでくれたり、苦しいこともかまわずに....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
から。私たちきりになりたいの、大変に。これも分るでしょう? 私たちきりになりたい心切です、では又あした。 七月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封....
南国太平記」より 著者:直木三十五
かを呼びたい、ような気もしたが、自分の気の迷いで、人を呼ぶのも恥かしかったから、心切《しんき》りを持ち直して、燭台を見ると、前よりも薄暗いようであった。蝋燭の灯....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
な微に入り、細に入り、作者の内的な動揺を洞察――時としては邪推さえしてまで、丁寧心切を極めて居る批評は、批評と認めないのかといきまく人があろう。私は誠意から申し....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
」とカテリーナ・リヴォーヴナは聞いた。 「閉めさせました」とセルゲイは答えると、心切りで蝋燭の心をつまみ、ストーヴの前に立ちどまった。 沈黙がおとずれた。 「....