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「心力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心力の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
従軍記者になってシナに渡り、月並みな通信文の多い中に、きわだって観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して、天才記者という名を博してめでたく凱旋《がいせん》し....
新生」より 著者:島崎藤村
これでお前が細君も貰わずにいるなんてこともいくらか節ちゃんの方に響いているテ。遠心力のようなもので、遠廻しに引いている気味があるテ。節ちゃんもあれで一度はお嫁に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なわち、彗星である。これよりも質量が小さくまた速度の小さいもののうちで、同様な遠心力を有するものが一群となって、それが前記の第二の要素の一つとなった(この中で質....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
。一方、操縦室の床に倒れていた井上順三の屍体は、機関車の加速度と、曲線に於ける遠心力の法則に従って、あの通りに投げ出されます。だが、ここで問題になるのは、何故犯....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
から、現在の位置で螺旋が詰ったものと仮定しよう。けれども、その廻転の間に、当然遠心力が働くだろうからね。したがって、ああいう正座に等しい形が、とうてい停止した際....
不審庵」より 著者:太宰治
候ものの如き実情に御座候。 それ覆載の間、朝野の別を問わず、人皆、各自の天職に心力を労すればまたその労を慰むるの娯楽なかるべからざるは、いかにも本然の理と被存....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
ておいてから指で空中に円を画きながら煙管をプロペラのごとく廻転するという曲芸は遠心力の物理を教わらない前に実験だけは卒業していた。 いつも同じ羅宇屋が巡廻して....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
わたしのからだに危険があると思ったので、私はかれらに対抗するという一点にわたしの心力を集中して、かの蟒蛇のような眼――それはだんだんにはっきりと見えて来た――か....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
ように一つずつ進める。」 「井伏の小説は、決して攻めない。巻き込む。吸い込む。遠心力よりも求心力が強い。」 「井伏の小説は、泣かせない。読者が泣こうとすると、ふ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しまうにしてもだ。浄善尼が奇術的な廻転をした事が判ると、一応は、飛散した金泥に遠心力と云う事を考えるだろうね。そして、あの四本の玉幡が気になって来るのだが、あん....
妖怪学」より 著者:井上円了
、不学のものに最も効験あるは、知力に乏しく経験に富まざるをもって、予期意向および心力会注を生じやすきによるのみ。その呪文のごときは、予期意向を生ずるの助けとなる....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
ずるゆえんなり。 つぎに、意向によりて不覚作用の起こるゆえんを考うるに、意向は心力の一方に集合、会注するより起こるをもって、仮に脳中の心力の全量を百と定めてこ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ばず、日本の学者は同一に西洋の学者に及ばざるべし。他語にてこれを言えば、日本人の心力、体力ともに今日の勢い、はるかに西洋人に及ばざるなり。しかして、宗教家の懸隔....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
尾を立てて動いております。不思議な生命――。 この万物の本体、本性を突き止める心力、これを「慧」と言います。前の「智」と違って「慧」は、いずれの時代でも少しも....