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心地
「心地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た時に、俄《にわか》に目の前が暗くなって、そのまましばらくは呼吸さえも止るような
心地が致しました。また実際その間は、失心したも同様な姿だったのでございましょう。....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
る、――それがなおさらお蓮には、すべてが一場の悪夢《あくむ》のような、気味の悪い
心地を起させるのだった。
「私はもとよりどうなっても、かまわない体でございますが....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
て、その軒下へかけこんだ。まず、顔の滴をはらう。それから、袖をしぼる。やっと、人
心地がついた所で頭の上の扁額《へんがく》を見ると、それには、山神廟《さんじんびょ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
一つ揚げていなかった。周囲に聳《そび》えた山々も重苦しい夏の緑の色が、わずかに人
心地のついた彼には、ほとんど永久に癒《い》やす事を知らない、憂鬱そのもののごとく....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
りながら、ところどころ小声に御読みになりました。
「……世の中かきくらして晴るる
心地なく侍《はべ》り。……さても三人《みたり》一つ島に流されけるに、……などや御....
「或る女」より 著者:有島武郎
、そういっているうちに、大濤《おおなみ》がどすんどすんと横隔膜につきあたるような
心地《ここち》がして、鼻血でも出そうに鼻の孔《あな》がふさがった。門を出る時も口....
「或る女」より 著者:有島武郎
《やわ》らかい夜具をのべて、五体を思うまま延ばして、一晩ゆっくりと眠り通したその
心地《ここち》よさは格別だった。仰向けになって、寒からぬ程度に暖まった空気の中に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、あの最初の精神の暴風雨が次第に収まるにつれて、私の傷けられた頭脳にも少しづつ人
心地が出てまいりました。うとうとしながらも私は考えました。―― 『私は今斯うして....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、凡そ天下にそれほどよきものはないのであろう。過度の労役の為めに消耗せる体力が、
心地よき安静によりて完全に本復せる時、はげしき屈托の為めに欝屈せる脳力が、適宜の....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
けれ」と歌えるものは当時の久米正雄なり。「教室の机によれば何となく怒鳴つて見たい
心地するなり」と歌えるものは当時の菊池寛なり。当時の恒藤に数篇の詩あるも、亦怪し....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
たると同じ部屋にあらずやと思う。その頃の先生は面の色日に焼け、如何にも軍人らしき
心地したれど、謹厳などと云う堅苦しさは覚えず。英雄崇拝の念に充ち満ちたる我等には....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ものは、それだけ変化にも驚き易いから、幾分か話すたねも殖えるわけである。 住み
心地のよくないところ 大体にいへば、今の東京はあまり住み
心地のいゝところではな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ず、合客の様子、家居の間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の
心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に入りしが、既往将来の感慨に夢も結ばず....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そこは
心地よいまどろみの国。 夢は半ばとじた眼の前にゆれ、 きらめく楼閣は流れる雲間に....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
動かない、考えることもしない一塊りの肉にほかならないと思うのは、必ずや不思議な、
心地よい快楽であろう。 八月五日―― 一生涯を通して、人を裁き、判決を下し、....