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心境
「心境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
悲壮の感激である。この感激を知らないものに、どうして戯作三昧《げさくざんまい》の
心境が味到されよう。どうして戯作者の厳《おごそ》かな魂が理解されよう。ここにこそ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
だろうか。新浪漫主義を唱《とな》える人と主観の苦悶《くもん》を説く自然主義者との
心境にどれだけの扞格《かんかく》があるだろうか。淫売屋《いんばいや》から出てくる....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
かくその四ツ木鶴吉のところへは、近いうちに会いにゆくつもりだった。そしてマスミの
心境を説明して、性格破産の妹を救ってやるよう薦めるつもりだったのである。その四ツ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は硝子で作った羽毛のようにまことに脆弱な魂――その二つの間に挿まれた彼、青竜王の
心境は実に辛かった。 ――なんとかして、最後の舞台を力一杯に勤めさせたい! ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
妾には真一がここで死んでいることが迷惑千万であったのである。――妾は偽りなくその
心境を語った。 「これは奥さまの想像していらっしゃるよりも面倒なことになると存じ....
「蠅男」より 著者:海野十三
る。――いま橋の上から、十何年ぶりで、新温泉の建築を見ていると、そのときの書生の
心境をハッキリ見透せるようで頬笑ましくなるのであった。彼は久し振りに新温泉のなか....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
わけだ。 日本はここでも立ち遅れと、未熟と、敗北とを喫したわけだが、仁科博士の
心境如何? またわが科学技術陣の感慨如何? 八月十一日 ◯海作班第三準備会にて....
「一坪館」より 著者:海野十三
築になってしまったので、源一のテント店は一そうみすぼらしくなってしまった。源一の
心境はどうなんだろう。 暁の街道 銀座の表通りの復興|店舗もすっかり出来....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る。われ等の教訓が、果して諸子の精神的欲求に適合するか、否か、それが果して諸子の
心境の開拓に寄与する所あるか、否かによって去就を決すればよいのである。 換言す....
「故郷」より 著者:井上紅梅
歩はしないがわたしの感ずるほどうら悲しいものでもなかろう。これはただわたし自身の
心境の変化だ。今度の帰省はもともと何のたのしみもないからだ。 わたしどもが永い....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
そこで私はこれに対してほぼ次のような意味の返事を出したのである。 「現在の自分の
心境としては、単なる文化運動というものにはあまり興味が持てない。また来信の範囲で....
「苦楽」より 著者:上村松園
無上の楽しみである筈です。この意味において、畢竟作家がある作品を制作するのには、
心境に無上の楽土を現顕し得るようでないといけないと思います。 作家が制作に没頭....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
声に乗って無形のままで人心に来り迫るのだ」とあるは二葉亭のこの間の芸に魅入られた
心境を説明しておる。だが、こういうと馬鹿に難かしく面倒臭くなるが、畢竟は二葉亭の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
雲のすきまから涼しげな月の光がもれ、思わず顔をほころばせ、微笑をふくんで春を待つ
心境とはなった。) 天地作船。 (天地を家とし波をしきものと考え、太平洋上に新年....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ちたいが集中は終る。大迂回作戦を躊躇する事は全体の空気が許さないと云うような彼の
心境であったろう。 不徹底なる計画、不徹底なる指揮は遂にマルヌ会戦の結果となっ....