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心安
「心安〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心安の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
気がつかずに、そのまま通りすぎてしまったかも知れない。が、女は女中の姿を見ると、
心安そうに声をかけた。
「お清《きよ》さん。」
女中はちょいと会釈《えしゃく》....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
不浄を忌《い》んで、このあたりへは現《げん》ぜられぬげに見え申した。されば、翁も
心安う見参《げんざん》に入り、聴聞の御礼申そう便宜を、得たのでござる。」
「何と....
「或る女」より 著者:有島武郎
止めて葉子のほうを振り向いた。
「始めてお知り合いになったばかりですのに、すぐお
心安だてをしてほんとうになんでございますが、ちょっとお肩を貸していただけませんで....
「或る女」より 著者:有島武郎
うし》ほどな洋犬やあまに付き添われて事もなげに遊び戯れていた。そして葉子を見ると
心安立《こころやすだ》てに無邪気にほほえんで見せたりした。小さなかわいい子供を見....
「星座」より 著者:有島武郎
ちになった。そして自分が憚《はばか》らねばならぬような人たちから遠ざかったような
心安さで、一町にあまる広々とした防火道路を見渡した。いつでも見落すことのできない....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
態度の、それが明《あきら》かに窓から見透《みえす》く。郵便局員|貴下《きか》、御
心安《おこころやす》かれ、受取人の立田織次《たつたおりじ》も、同国《おなじくに》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
破る、それを定命の死といわないで何処に正しい定命の死があろう。愛したものの死ほど
心安い潔い死はない。その他の死は凡て苦痛だ。それは他の為めに自滅するのではない。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、そんな酷い事をしおるかえ。可いわ、内の御隠居にそう言うて、沙汰をして上げよう。
心安う思うておいで、ほんにまあ、よう和女、顔へ疵もつけんの。」 と、かよわい腕....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は自分の白い肉衣を月光にひらめかして見ていたので、道で出逢った彼の親しい人たちは
心安立てに笑いながら言った。 「アウレリウスさん。月の光りを集めていなさいますね....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
う仲働、お三と、もう一人女中が三人。 婦人ばかりでたよりにはならぬが、近い上に
心安い。 それにちと間はあるが、そこから一目の表門の直ぐ内に、長屋だちが一軒あ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、婆や、家は窮屈で為方がねえ、と言っては、夜昼|寛ぎに来るので、里の乳母のように
心安くなった。ただ風変りな貴公子だとばかり思ってはいるが、――その時お雪が島野に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
世の方々の研究の資料ともなればと念じて居ります。何卒あまり過分の期待をかけず、お
心安くおきき取りくださいますように……。 ただ私として、前以てここに一つお断り....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
五番へ持って参じました、小按摩が、逆戻りに。――(お桂|様。)うちのものは、皆お
心安だてにお名を申して呼んでおります。そこは御大家でも、お商人の難有さで、これが....
「活人形」より 著者:泉鏡花
で、まず、仕事に一足踏懸けた。と耳を澄まして窺えど、人の気附たる様子も無ければ、
心安しと二階に上りて、壁を洩れ来る月影に四辺を屹と見渡せば、長き廊下の両側に比々....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
く注意すべく、自ら満州国の民心を把握していない事を覚らねばならぬ。 満州国の民
心安定を欠く時は共産党の工作が進展して来る。非常に注意せねばならない。これがため....