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心当
「心当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
公口を探せとおっしゃるのなら、明日《あした》また御出で下さい。今日《きょう》中に
心当りを尋ねて置いて見ますから。」
番頭はとにかく一時|逃《のが》れに、権助の....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ともこりゃ気兼ねをするのも、無理はないと思ったから、じゃどこかにお前さんの方に、
心当りの場所でもありますかって尋ねると、急に赤い顔をしたがね。小さな声で、明日の....
「或る女」より 著者:有島武郎
ょっとして息気《いき》がつまった。近ごろ怪しげな外国人が倉地の所に出入りするのも
心当たりになった。倉地は葉子が倉地の言葉を理解して驚いた様子を見ると、ほとほと悪....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
われである。 「人の来ない処といって、お待ちなさい、船ででもどちらへか、」 と
心当りがないでもなかった。沖の方へ見え初めて、小児の船が靄から出て来た。 夫人....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
」 「ちっとも知らない、」 と煙管を取って、 「いや、真面目に真面目に、何か、
心当りでも出来たかね。」 縁談 十六 時に河野がその事....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
じゃありませんか、まあ、先生。」 「…………」 「それ……と、たしか松村さん。」
心当りはまるでない。 「松村です、松村は確かだけれど、あやふやな男ですがね、弱り....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
聞きたくッてなりません。 東京のある学校を卒業ますのを待かねて、故郷へ帰って、
心当りの人に尋ねましたが、誰のを聞いても、どんなに尋ねても、それと思うのが分らん....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
いたものだッて、いうじゃありませんか。 何と驚いたものでがしょう。その袖の香を
心当てに、谷中のくらがり坂の宵暗で、愛吉は定子(山の井夫人)を殺そう。お夏さんは....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
を返して、元の塀についてまた戻る……さては先日、極暑の折を上ったというこの坂で、
心当りを確めたものであろう。とすると、狙をつけつつ、こそこそと退いてござったあの....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
出の可懐さがある。 しかもそのくせ、卑怯にも片陰を拾い拾い小さな社の境内だの、
心当の、邸の垣根を覗いたが、前年の生垣も煉瓦にかわったのが多い。――清水谷の奥ま....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
て、とても医者の薬では治らんに極ったですから、この医王山でなくって外にない、私が
心当の薬草を採りに来たんだが、何、姉さんは見懸けた処、花でも摘みに上るんですか。....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ったから訪ねる事が出来なかった。 盆やすみに、今日こそと、曳船へ参りましたが、
心当りの卯の花垣は取払われて、窪んだ空地に、氷屋の店が出ていました。……水溜りに....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
、所望ですわ。」 成程、民弥は聞くばかりで、まだ一題も話さなかった。 「差当り
心当りが無いものですから、」 とその声も暗さを辿って、 「皆さんが実によく、種....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
のに体屈ということはない、極めて細微の事柄にも趣味の刺激を受くるのであるから、内
心当に活動して居る、漫然昼寝するなどということは、茶趣味の人に断じてないのである....
「錦紗」より 著者:犬田卯
には使えないような家の子供だ。」 「大尽どんの子供かな、では……」お通はひょっと
心当りがして念を押した。 「そうでもねえが、家でやかましく躾けている子供だから、....