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「心当り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心当りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
公口を探せとおっしゃるのなら、明日《あした》また御出で下さい。今日《きょう》中に心当りを尋ねて置いて見ますから。」 番頭はとにかく一時|逃《のが》れに、権助の....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ともこりゃ気兼ねをするのも、無理はないと思ったから、じゃどこかにお前さんの方に、心当りの場所でもありますかって尋ねると、急に赤い顔をしたがね。小さな声で、明日の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
」 「ちっとも知らない、」 と煙管を取って、 「いや、真面目に真面目に、何か、心当りでも出来たかね。」 縁談 十六 時に河野がその事....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、所望ですわ。」 成程、民弥は聞くばかりで、まだ一題も話さなかった。 「差当り心当りが無いものですから、」 とその声も暗さを辿って、 「皆さんが実によく、種....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
す。先生も、どうか会合へは今後一切御出席なさらぬ様にねがいます」 「君は、犯人の心当りでもあるのかね」 「無いわけでもありませんが、申しあげません」 「僕には言....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
十嵐庄吉が惨殺され、しかも左肋骨の下に不可解の潰瘍の存することについて、皆さんは心当りがないであろうか。 あいつは掏摸の名人だった。私はそれをつい永い間忘れて....
地獄の使者」より 著者:海野十三
答は、然りです」 「被害者――あなたの御実兄は何故殺されたか、その原因についてお心当りはありませんか」 検事はずんずん核心に触れた訊問を進めた。 「さあ、はっ....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
のような言葉を吐いた。これでみると、帆村だけは、あの怪物の正体について、いくらか心当りがあるらしい。いったいあれは何者だろうか。そして何をしようとしているのだろ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
本気でこれを書けないワケに換算しているのか分らなかった。実をいえば、彼にはもっと心当りの書けないワケを持っていたのである。 それはブチまけた話、彼はもう探偵小....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
聞きたくッてなりません。 東京のある学校を卒業ますのを待かねて、故郷へ帰って、心当りの人に尋ねましたが、誰のを聞いても、どんなに尋ねても、それと思うのが分らん....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
を返して、元の塀についてまた戻る……さては先日、極暑の折を上ったというこの坂で、心当りを確めたものであろう。とすると、狙をつけつつ、こそこそと退いてござったあの....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
じゃありませんか、まあ、先生。」 「…………」 「それ……と、たしか松村さん。」心当りはまるでない。 「松村です、松村は確かだけれど、あやふやな男ですがね、弱り....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
われである。 「人の来ない処といって、お待ちなさい、船ででもどちらへか、」 と心当りがないでもなかった。沖の方へ見え初めて、小児の船が靄から出て来た。 夫人....
錦紗」より 著者:犬田卯
には使えないような家の子供だ。」 「大尽どんの子供かな、では……」お通はひょっと心当りがして念を押した。 「そうでもねえが、家でやかましく躾けている子供だから、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ったから訪ねる事が出来なかった。 盆やすみに、今日こそと、曳船へ参りましたが、心当りの卯の花垣は取払われて、窪んだ空地に、氷屋の店が出ていました。……水溜りに....