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心待ち
「心待ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心待ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ものにも暇《ひま》を出さず、成行きに任《まか》せていた所を見ると、それでも幾分か
心待ちには、待っていたのでございましょう。また実際三日目の夜《よ》には、囲いの行....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぎりで絶えてしまった。葉子はなんとなく物足らなくなって、また何かいい出すだろうと
心待ちにしていたが、その先を続ける様子がないので、心残りを覚えながら、また自分の....
「或る女」より 著者:有島武郎
昼飯でも食べにあの大きな五体を重々しく動かしながら船のほうから出て来はしないかと
心待ちがされたからだ。
葉子はそろそろと海洋通りをグランド・ホテルのほうに歩い....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
ないことにして、楊《ヤン》博士はあたりを見廻した。なにかキャタ公が来ていないかと
心待ちして。 そのとき博士は、屏風岩の上に一冊の雑誌が落ちているのに気がついた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しました」 忠三郎は怱々に帰った。 その晩にでも再びたずねて来るかと、半七は
心待ちに待っていたが、忠三郎は姿をみせなかった。その明くる日も来なかった。おそら....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
朝から雪が降りだした。私は窓の所へ机を持って行って、原稿紙に向かって呻吟しながら
心待ちに君を待つのだった。そして渋りがちな筆を休ませる間に、今まで書き連ねて来た....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
のが本当だろうと、外出もしないで待っていたか、吉弥は来なかった。昼から来るかとの
心待ちも無駄であった。その夜もとうとう見えなかった。 そのまたあくる日も、日が....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
たくしは、雛妓が氷水でも飲み終えたら、何か身の上ばなしか相談でも切り出すのかと、
心待ちに待っていた。しかし雛妓にはそんな様子もなくて、頻りに家の中を見廻して、く....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、見物ながら一緒につれてゆくということは、前の年の末から前触れがあったので、僕は
心待ちに待っていると、果して三月の末に赤座の兄妹は越後から出て来た。汽車の着く時....
「恐竜島」より 著者:海野十三
まりも待っていた。彼はたえず崖の上を注意し、もしやラツールが顔を出しはしないかと
心待ちにしていた。ラツールの名を何十回となく呼んだ。だがラツールは姿も見せなけれ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
たのである。もしや、ただの一機でも無事に地球外にのがれてくれるかと、彼らはそれを
心待ちにしていたのだ。
ドイツのすぐれたロケットによる地球脱出隊が、次から次へ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
海底牢獄で幾日も幾日もくらしました。 帆村がまた助けに来てくれるかもしれないと
心待ちに待っていましたが、いつまでたっても、再び彼の姿も声も、兵曹長の前には現れ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て戴きとう存じまする……。』 『かねて乙姫様からのお言葉により、あなたのお出でを
心待ちにお待ち申して居りました。』とあちら様でも大そう歓んで私を迎えてくださいま....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
しているばかりなのです。杜子春はほっと一息しながら、今度はどんなことが起るかと、
心待ちに待っていました。 すると一陣の風が吹き起って、墨のような黒雲が一面にあ....
「妖影」より 著者:大倉燁子
どうも今見た二人が気に懸ってならない。食事が済んだら必ず甲板に出て来るだろう。と
心待ちにしていたがなかなかやって来なかった。病人だから室へ帰っているかも知れない....