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「心得る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心得るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
処《いずこ》かにて金剛邪禅《こんごうじゃぜん》の法を修した外道《げどう》の沙門と心得る。じゃによって一つは三宝の霊験《れいげん》を示さんため、一つはその方の魔縁....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
と単純な、手数のいらぬ強請《ゆすり》をやり、最後には、切取強盗を正当な稼業とさえ心得るようになった。 彼は、いつとなしに信濃から木曾へかかる鳥居峠《とりいとう....
婦系図」より 著者:泉鏡花
存なし、とあれば、この縁談はもう纏ったものと、今までの経験に因って、道学者はしか心得るのに、酒井がその気骨|稜々たる姿に似ず、悠然と構えて、煙草の煙を長々と続け....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ございます。――さて、聞きますれば、――伜の親友、兄弟同様の客じゃから、伜同様に心得る。……半年あまりも留守を守ってさみしく一人で居ることゆえ、嫁女や、そなたも....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
にも、場末の寄席にも比較しようがないほどで。男も女も、立てば、座ったものを下人と心得る、すなわち頤の下に人間はない気なのだそうである。 中にも、こども服のノー....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
鴉が棲むと言うげな、日中の道を照す、老人が、暗い心の補助に、烏瓜の灯は天の与えと心得る。難有い。」と掌を額に翳す。 婆さんは希有な顔して、 「でも、狐火か何ぞ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
なし。」 と、谷へ返答だまを打込みながら、鼻から煙を吹上げる。 「煙草銭ぐらい心得るよ、煙草銭を。だからここまで下りて来て、草生の中を連戻してくれないか。また....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ちまいますぜ。殊に貴方だ、誰だと思ってるんだ、お言の一ツも懸けられりゃ勿体ねえと心得るが可い位の扱いで、結構でがす。もっとも、まあこうやって女の手一つで立過して....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
雖、即|是先日申上候道の論を一言にて申候者と存候。朝より暮まで為す事一々大事業と心得るは、即|一廉の人物といふものと存候。偶々感じ候故|序に申上候。荒木令嬢の事....
審判」より 著者:カフカフランツ
うのはどだいないのだ。こういう世界で相当の成功を収めながら仕事をやってゆくことを心得るぐらいのことには、何もこみいったことは要らないのであって、ほんの平凡な生活....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
を競い、なかんずく菊花全盛を極む。 去。 (日本を去ってから三十日、海をわが家と心得るままに、航路は赤道を通りすぎて天の果てに至った。南半球の風物もまたおもむき....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あります。わざと襤褸を着て、身体を火で炙いたりして、自分に苦痛を加えるのを修業と心得る修道派の一派であります。そうすると来世は幸福ばかりを享けるところの天界に生....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
全く同じものであっても、渡来の前後によって、政治的に、社交的に、違った民族の様に心得るものもありましょう。中にも天孫民族というものが一番優勢の地位を占め、所謂天....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
しとして非常な発達を遂げた。これが為に後世には人形舞わしの事をただちに傀儡師だと心得るようにまでなったけれども、本来は傀儡子必ずしも人形舞わしのみでなく、鎌倉時....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
であった。たとえその分派のある者が頭に烏帽子を冠り、身に素袍を纏うをもって正装と心得るようにまで変って行っても、本来仏弟子であることには相違はない。それは千秋万....