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心得顔
「心得顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心得顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しょうかしらん」
女中はもう葉子には軽蔑《けいべつ》の色は見せなかった。そして
心得顔《こころえがお》に次の部屋との間《あい》の襖《ふすま》をあける間《あいだ》....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ほどしたら屋敷をぬけ出して、少納言殿屋敷までそっと走ってくりゃれ」 千枝太郎は
心得顔にうなずくと、泰親はさらに声を忍ばせて言った。その用向きはほかでもない、信....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
はこれはいらっしゃいまし、ドレゴさま。奥の方にいい席がございます」 ボーイ頭が
心得顔に先に立って案内した。 そこは柱の蔭になっていたが、小綺麗に飾ったいい席....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って貰いてえんだ」 「誰袖は入谷の寮に出ていると云うじゃありませんか」と、庄太は
心得顔に云った。 「それを調べてくれと云うんだ。実は少しおれの腑に落ちねえことが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の留守に善八が来ていた。 「どうだ。判ったか」 「大抵はわかりました」と、善八は
心得顔に答えた。「駿河屋の女隠居には男があります。松の云う通り、女中は新参でなん....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
ちょっと手を借して呉れないか。この屍体の頸を左へ、四五寸ばかし動かしてみるんだ」
心得顔に一人が屍体の頭髪を掴んでズルズルと左へ曳き寄せた。と、赤羽主任は、吹矢の....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ものか、そこには一台の移動式X線装置が置かれてありましたが、警部は時計を見つつ、
心得顔にスイッチを抑え、抵抗器の把手を左右へまわすのでした。ジージーと放電の音響....
「火星探険」より 著者:海野十三
だから持って来るのは少しでいいよ」 「なあに、うんとあるから大丈夫」 ネッドは
心得顔で、調理場へ入っていった。 河合が待っていると、調理場で大きな叫び声が聞....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
すから、とうぶん生命の危険はないはずです。では扉をあけましょうか」 と、帆村は
心得顔でいった。 緑人ミミ族 三人は、彗星二号艇から外へ出た。 緑色の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「それはもう解いたよ。起きろ。起きてこれからすぐ、買物にいくんだ」
丸木は、
心得顔に言った。
丸木の言ったことはうそではなかった。まさか起上れないだろ....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
れば納まらなかったほどであったのです。 往来に馴れて、幾度も蔦屋の客となって、
心得顔をしたものは、お米さんの事を渾名して、むつの花、むつの花、と言いました。―....
「暗号数字」より 著者:海野十三
麻痺剤のせいですよ。誰かに一服盛られましたね。すぐ注射をうちましょう」 医師は
心得顔に、注射の用意にかかった。 「やっぱりそうか。あの山下とかいった男が、喰わ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
じゃ、唯持って行きゃ可いのかね、奥さん、」 と聞いて頷くのを見て、年紀上だけに
心得顔で、危っかしそうに仰向いて吃驚した風でいる幼い方の、獅子頭を背後へ引いて、....
「気の毒な奥様」より 著者:岡本かの子
きません。これには少女達も全く困ってしまいましたが、其のうち才はじけた一少女が、
心得顔に筆を持って立札の上に、女の言葉をその儘そっくり書きしるして、舞台わきに持....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れたので、小坂部もしばらく思案していたが、やがて又かれの耳に口をよせると、侍従は
心得顔にうなずいて、すぐに表口の方へその姿を消した。小坂部は一旦自分の部屋へ帰っ....