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心懸り
「心懸り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心懸りの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
るような、口惜しさに似た後悔を感じた。 (葉ちゃんは……) 黒吉は、先ずそれが
心懸りだったので、ぐっと頸を廻して隣りを確めようとした。 (おや……) 彼の眼....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
が、いざと云う時にはどうか成ろう。 正直に云うと此事より、自分にとっては、深い
心懸りが他に一つあった。それは、林町と我々、寧ろAと母との間に不調和があり、去年....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
お嫂さんはどこかへお出かけで、その晩はお帰りにならないのですが、さすがに類さんが
心懸りで、様子を問おうとせられた電話なのでした。そんなことはよくあるのだそうで、....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
」 「さあ、母様のことも大抵いい出しはなさらないし、他に、別に、こうといって、お
心懸りもおあんなさらないようですがね、ただね、始終心配していらっしゃるのは、新さ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
れぬ。それのみならず妹お藤を、今宵高田に娶すよしかねて得三に聞いたれば、こもまた
心懸りなり、一度家に立返りて何卒お藤を救いいだし、またこそ忍び出でなんと、忌しき....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぬが」 武蔵は、ハッとしたらしく、 「さては」 と、喜左衛門へ向い、 「ちと
心懸りな儀がござる。犬の斃れておる場所へ参りたいと思いますが、ご案内下さるまいか....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼のただ一つの心配は、自身の向う征途にはなくて、後にのこす劉禅の輔佐と内治だけが
心懸りだったのである。 ために、彼は、ここ旬日の間に、大英断をもって、人事の異....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
していた。 「叔父御のおすがたが見えぬが」 と、小三郎を始め、死ぬべき人々も、
心懸りに待っていたが、何で起って行ったのか、賀相はいつまでも戻って来なかった。 ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
安全ということにきまった。私は北アルプスの中で鷲羽岳だけを未蹈の山として残すのが
心懸りであったが、これも是非ない。 朝食後、昼飯は途中水のある所で炊くことにし....