心支度[語句情報] » 心支度

「心支度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心支度の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
まど》を分けなければ成らない。兄の家族と別れ住むことを考えなければ成らない。その心支度をすることも彼に取っては礼奉公の一つであると考えた。 四....
河明り」より 著者:岡本かの子
洋行きの基点ではあり、双方好都合である。新嘉坡となると、ちょっと外遊するぐらいの心支度をしなければならない。 ――少し当惑しているとき思いの外力になったのは叔....
斜陽」より 著者:太宰治
つくしているわけにゆかない、行くところまで行かなければならない、とひそかに上京の心支度をはじめたとたんに、お母さまの御様子が、おかしくなったのである。 一夜、....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ると、鉄檻《てつおり》でも脱けかねねえ奴――おめえの方も、きびきび行《や》らかす心支度が出来たかな?」 「はい、もう、鈍《なま》ってはいられませぬ。必ずすぐに、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って、乗る客も降りる客もあるにちがいない。それをここから呶鳴っては船中にある敵に心支度をさせるようなものではないか、というのだった。 「まあ、どっちにせよ、先は....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れぞれ越前家だの、榊原家だの、知己の大名へ推挙して、一家を立てさせ、この世の暇の心支度をしているかに見えた。 また、その四高足の中の一人、木村助九郎を国許から....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、きょうはその手にのる巌流でもない。末代もの嗤いのたねとならぬよう潔く終るものと心支度して来い。――いざ来いっ、武蔵!」 いい放った言葉の下に、巌流は、鐺を背....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
怒っている。 「エエ寒い」 すぐ水ッ洟を啜ったのは、目明し万吉、屑屋に早変りの心支度が、自然にそうさせたものなのだ。膝や袂の土を払って、鉄砲笊を斜めにかつぎ、....
三国志」より 著者:吉川英治
ちまち、山上から駆け下ってくる一軍のあるを知って、きっと涙をはらい、静かに最期の心支度をととのえた。 「名ある敵の大将とみえるぞ。生捕れっ」 はや、殺到した軍....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ニ之ヲ写 前ノ黄門ノ侍郎資朝 と、奥書して、 「いざ、死はいつでも」 と、心支度の容子であった。 するとまもなく、都から一人の山伏に付き添われた少年が島....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だけでなく、やがては、将軍職のすべてをも最愛の子に譲るべく、その一つとしてこんな心支度もしていたのであったらしい。 「とくと、拝診申し上げましてござります」 ....