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心機一転
「心機一転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心機一転の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
と眼を覚したら、山里の空気がひやりと、夕日の間から皮膚を冒《おか》して来たんで、
心機一転の結果としてここに何か食って見たくなったんである。したがって食わなければ....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
れてからといった方が適切かも知れない――御存知のようなボヘエムになってしまった。
心機一転して僕自身にかえり、僕は気儘に生きてきた。しかし事ある毎にいつも引き合い....
「運命」より 著者:幸田露伴
豪誠実、豈退心あるべけんや、と云いければ、諸将|相見て敢て言うものあらず、全軍の
心機一転して、生死共に王に従わんとぞ決しける。朱能|後に龍州に死して、東平王に追....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
に多い。一しょになって心配してやらねば不親切だといってヒガが無いし、仕末に悪い。
心機一転ということもあるから、朗かに奮闘的な気持ちになれるよう、思い切って生活を....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
田五工氏なども、子規氏の俳風に同化して、俳星という雑誌まで出していたが、この頃は
心機一転したものか、それを出す事もやめてしまった。 十九 今の如く青々....
「香奠」より 著者:豊島与志雄
て考えこみました。私はその顔を覗き込んで尋ねました。 「どうしてまたそんな風に、
心機一転したんだい。」 「え、
心機一転って……。」 それから暫くして、彼は真白....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
から出る自分の名前を、私は不思議な気持で聞いた。 私の頭に映ってるのは、漠然と
心機一転を求めてる一人の男と、生に喘いでる一人の女とだった。更に、新生の力強い世....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のを非常な光栄としていた。あたかも自分で作ったかのようだった。それを聞いたら彼が
心機一転するかもしれない、などと吹聴《ふいちょう》していた。劇が始まっても二人は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
道があったのである。(訳者注 聖パウロのある伝説に由来し、突然内心の光輝によって
心機一転することをダマスクスの道という)
常に人の内部にあって真の良心となり虚....
「落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
雷が近くに落ちたからといって、人の心は俄に変るものではありますまい。けれど、なにか
心機一転のきっかけとなることはありましょう。そういうことが、立川一郎に起りました....
「モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
風に思いを凝らしはじめたことは結構で、なんといっても、古い根のある土地柄だから、
心機一転、身構えを変えれば、立直るだけの素質はそろっている。 だが、浅草という....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
よ。アベコベなんだ。その一夜が、転機なんだよ。万感コモゴモの次に、ホンゼンとして
心機一転。それほどでもないが、なんとかしたと思いたまえ。ここ一週間、ミミズみたい....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
してくれた。死んだ孫の数を取りかえすのも儚い希望ではなかろう。 そこで喜兵衛は
心機一転、年が改ると共に自分の誕生日がくるから、ちょうど還暦に当るを幸い、厄払い....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
度は次郎君はまことにお気の毒な事になりました。しかし見どころのある青年ですから、
心機一転すると却っていい結果になるかも知れません。」 俊亮は、しばらくの間、ま....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
山元不動、白雲自去来、私はいつもあの三ツ山を仰いで黙想をつづけています」 客は
心機一転して去る。壕舎はしばらく森閑となる。五歳の茅乃が独りしゃべっているのが聞....