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「心気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
神仏の御名《みな》は口に致しますまい。もっとも日頃はこの老爺《おやじ》も、余り信心気《しんじんぎ》などと申すものがある方ではございません。それをただ今急に、観世....
」より 著者:芥川竜之介
お聞きなすっても、格別面白くもございますまい。」 「可哀そうに、これでも少しは信心気《しんじんぎ》のある男なんだぜ。いよいよ運が授かるとなれば、明日《あす》にも....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
て官舎の方へ追い払うと、やって来た。 「あれは友田君の細君のあきさんです。ひどい心気|病みですから、もう少し落ちつかないことには、現場が見せられないんです。いや....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
死体蝋燭を立てるのです。そして、それに火を点じますと、邪心のある者は身体が竦んで心気を失ってしまうとか申すそうでございます。で、その会が始まったのは、昨夜の正九....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ばかな事があるものか。お前の御幣かつぎにもあきれるよ。 お兼 それにあなたは、信心気がありませんからね。せめて朝と晩とだけはお礼だけでもなさいましな。私などは一....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
、疲れは疲れの上に堆積するばかりである。 時にコーヒーと餅菓子とケーキをもって心気を爽やかにすることは胃散の用意なくては出来難い。しかる後、心に積る悩みは固ま....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
、だんだん楽になり始めた。「もう押さなくとも好い」――良平は今にも云われるかと内心気がかりでならなかった。が、若い二人の土工は、前よりも腰を起したぎり、黙黙と車....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
義がきまると、いろいろな心の働きがその心境からおのずと出てくる。目は英知に輝き、心気は澄んでくる。いろいろな欲望や、悩みや、争いはありながらも、それに即して、直....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
かないなあ」 グイグイ手酌で飲んで行く。 だが酔いは少しも廻ろうともしない。心気がさえるばかりである。 「家の構え、諸道具や諸調度、これから推してもこの家は....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
燈火も無い真の闇で、扉も閂も見えはしません。その中で私は暫くの間、深い呼吸をして心気を沈め、やおら手探りに閂を外し、その瞬間に身を躍らせて、真直ぐに室の中へ突き....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
をせんように、おたがいが注意しようじゃないか。 何より怖ろしいのは、僕らの方で心気症的な壁……それを心理的に築き上げてしまうことなんだよ。現にこの卍の形がそう....
火の扉」より 著者:岸田国士
とをどうするかゞ問題になつたが、これも母親の意志どおり持つて行くことになつた。信心気のないひとにお祭りのことはまかしておけないというのであつた。 康子も別にそ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
端ひいたのを寄り戻した。同じ位置に復したのであった。「もうこれ以上は仕方がない。心気|疲労れて仆れるまで、ここにこうして立っていよう」造酒は捨鉢の決心をした。こ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
山であって、流行の神仏は参詣人が群集したもんだ。今と違って遊山半分でもマジメな信心気も相応にあったから、必ず先ず御手洗で手を清めてから参詣するのが作法であった。....
夏日小味」より 著者:北大路魯山人
朝、なんでままおあがりやすな」 とくる。この錦木でまま食べて、はじめて、ために心気爽然となるちょう代物なのである。 上等のかつおぶしを、せいぜい薄く削り、わ....