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心状
「心状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第五氷河期」より 著者:海野十三
というのであった。 総監は、この文面を読んで、愕き、かつ呆れた。二千万円の無
心状であった。一万人の日本人を救うというのは結構だとしても、その使い方もわからな....
「河明り」より 著者:岡本かの子
に押し片付けられて、たいして邪魔にもならなくなって来た。いつの間にか人をこうした
心状に導くのが南の海の徳性だろうか。 男はここまで語って眉頭を衝き上げ、ちょっ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
性の強い人物というものは、一つの懐疑に捉えられてしまうと、ほとんど無意識に近い放
心状態になって、その間に異様な偶発的動作が現われるものだ。ちょうどそれに当るもの....
「海底都市」より 著者:海野十三
なかっこうで立っている。こっちには大木が、黒|焦《こ》げになった幹をくねらせて失
心状態をつづけている。僕の立っている足もとには、崩れた瓦《かわら》が海のように広....
「超人間X号」より 著者:海野十三
れた。機械人間の大力と快速にあってはかなわない。 神を恐れぬ者 山形警部は、失
心状態《しっしんじょうたい》になったままX号の前へ連れてこられた。 X号は警部....
「天馬」より 著者:金史良
しは息使いも苦しくなくなり、暫く倒れている中に怖ろしい幻覚も収まって、彼はただ放
心状態に大きな目だけをぐりぐりさせている。空には激しく雲が流れていた。その時約束....
「人形の話」より 著者:折口信夫
と考えているが、「おしらさま」自身が語るのである。「いたこ」はやっているうちに放
心状態にはいる。「いたこ」はほとんど、託宣をしない。神がつくのではない。「いたこ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
泊まり込んでいた大日坊は、この日もお島に祈祷をした。お島の衰弱はいちじるしく、放
心状態になっていた。しかも心ではどうともして、この苦しみから遁がれ出たいものと、....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いう間に、陣十郎の脳裡に起伏したのは、実にそういう考えであった。 その間彼は放
心状態にあった。 何で主水が見逃がそうぞ! 一気に盛り返した勇を揮い、奮然と....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
に直ちにこれを東京に郵送して先生の校閲を願ったが、先生は一読して直ちに僕が当時の
心状を看破せられた。返事は折返し届いて、お前の筆端には自殺を楽むような精神が仄見....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
せるをもて、これに由りて母なる人を苦めたる事もありき。 概していへば当時の余の
心状は卑劣なりしなり。 以上はその全文である。取出でていうほどの奇はないが、二....
「城」より 著者:カフカフランツ
す」
「どうしてです?」と、Kは腹立ちよりもむしろ好奇心に刺戟されて、ある種の放
心状態から目ざめながら、いった。
「みんなあの人の投げやりな態度のおかげなんです....
「変身」より 著者:カフカフランツ
れていないところで母親とちょうど向かい合って床の上に横たわったときに、まったく放
心状態にあるように見えた母親ががばと高く跳び上がり、両腕を大きく拡げ、手の指をみ....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
やった。 着物を父親に着換えさせられてからも政枝は軽く眼を閉じて、いつまでも放
心状態を続けた。その側に多可子は浴衣の上に伊達巻をまいたばかりで隣町の自家へ朝飯....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
会話のとき、まだこれを感づいた人々の無いのが不思議なくらいだ。僕がもともとよく放
心状態に陥るくせがあるものだから、人々はやはりそれだと思い込むのだろう。人が低声....