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心猿
「心猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「チャンス」より 著者:太宰治
してキザに木石を装っている男か、或《ある》いは、イムポテンツか、或いは、実は意馬
心猿《いばしんえん》なりと雖《いえど》も如何《いかん》せんもてず、振られどおしの....
「火の鳥」より 著者:太宰治
よはどこにいる。知らない。嘘つけ、貴様がかくした。よせやい、見っともねえぞ、意馬
心猿。それから、よし、腕ずくでも取る、戸山が原へ来い、片輪にしてやる、ということ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
のいきさつの、あわれな実相だ。僕は色気が無いどころか、大ありだった。それこそ意馬
心猿とでもいうべき、全くあさましい有様だったのだ。 3 君は竹さんを....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
雄、色を好む。(ちょいと天幕を指さしてウインクする)いかな大王も恋には弱い。意馬
心猿《いばしんえん》追えども去らず、あわわわわわ。(あわてて口を押さえる。誰も相....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
はありませんよ。きらわれものの女白浪、それもお前というお人を一度見てからは、意馬
心猿《いばしんえん》とやらが浅間しく乗り移った、さかりのついた雌犬同然さ――それ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を醒《さ》まさんとて彼女の瞎《めっかち》雌猿に劣れるを示したと出づ。それから意馬
心猿《いばしんえん》という事、『類聚名物考』に、『慈恩伝』に〈情は猿の逸躁を制し....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の美しさ! あまりにもあでやかな眺めに、門之丞はしばし、その血管内に荒れ狂う意馬
心猿《いばしんえん》もうちわすれ、呆々然《ぼうぼうぜん》として見|惚《と》れたの....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
これを小さくおさめて敵の攻撃を防ぐことができた。武技だけでは、こうはいかぬ。意馬
心猿の境地ではおのずから裏切られてしまう性質のものであるから、つまり彼は剣聖の境....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
おうか凄美といおうか、バラリと肩へ流れている。 お十夜の血は狂いに狂った。意馬
心猿――という相である。 浅ましや孫兵衛。その廊下のつきあたりまで、お綱を追い....