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心理描写
「心理描写〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心理描写の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風狂私語」より 著者:辻潤
である。物の形体がハッキリ入ってこない。だから描写することが出来ない。出来るのは
心理描写位なものだ。 ▼自分の服装はもちろんのこと、他人の服装に対しても全然無頓....
「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」より 著者:寺田寅彦
の泡になり、そのいまいましさを片手の鵞ペンといっしょに前方に突き出す瞬間の皮肉な
心理描写であろう。 三人の伯母たちが何かというとぎょうぎょうしく階段や廊下を駆....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
を思い出して見ても、かつての時の戦慄の実感は少しも浮んで来ない。その凄惨な光景や
心理描写が、きわめて巧妙にきわめて力強く、描き出されてあったことの記憶が思い浮べ....
「インターナショナルとともに」より 著者:宮本百合子
ったとしか思われない。 カターエフの誤謬は階級的闘争を大衆的に表現せず、個人の
心理描写で説明しようとしたところにある。 エム・オー・エス・ペー・エス劇場の「....
「「愛怨峡」における映画的表現の問題」より 著者:宮本百合子
この製作者の発展の契機となっているのである。溝口氏が益々奥ゆきとリズムとをもって
心理描写を行うようになり、ロマンティシズムを語る素材が拡大され、男らしい生きてと....
「観念性と抒情性」より 著者:宮本百合子
らず、諷刺の精神も活をいれられて結構の時節である。しかしながら、そういう意味での
心理描写や、諷刺を幽鬼の街と村との内の世界に求めることは徒労である。むしろ、こう....
「生活者としての成長」より 著者:宮本百合子
、そういう戯文的小説のなかへ、二葉亭四迷はロシア文学の影響もあって非常に進歩した
心理描写の小説「浮雲」を、当時は珍しい口語文で書いたのであった。 文学を真面目....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
は殆んどロジックと云っていい位いだ。之に反してメリメの『カルメン』の恋の魅力は、
心理描写によるよりも専ら性格描写によるものだろう。読者はカルメンの心理の必然性に....
「紅葉山人と一葉女史」より 著者:宮本百合子
云うのもあんまり生意気の様ではあるが、やっぱりあの頃に二葉亭四迷が「浮草」ほどの
心理描写をしたものが世に出て居たとすれば、紅葉山人の終りの方の作には或る面白い変....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
光ほのか」は、作者が所謂文学的に意識して、簡明に描き出せば十分面白いところを妙な
心理描写、夢幻にしているから駄目でした。作家が、自分の持ち味を自覚しなければなら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
っきりして来たことですが、なかなか内容がある問題ですね。 新しい文学は、全く、
心理描写だけで満足しないわ、ね。心理から入って、そのような心理あらしめているもの....
「性格批判の問題」より 著者:豊島与志雄
発見した。また、階級という観念のなかに、広い領土を発見した。そして前者の新らしい
心理描写――行為の説明のための心理解剖ではない――の文学が、性格を軽視すると共に....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
音韻函数への企図などいくらでもある。麻雀と馬券であくびしているほどのことはない。
心理描写の領域だって、もう象徴主義の時代でない以上、フロイドを連想の射影性に還元....
「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」より 著者:平林初之輔
もっともこのトーキーは二つとも失敗の作だ。こんなアクションの少ないものは、もっと
心理描写をしなければだめだ。 作者の描いた行為でなしに、作者の頭の中の論理を視....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
今日の都会居住の作家によって描かれつゝある、所謂都会芸術は、その名称に於てこそ、
心理描写と言い、或は感覚の芸術であると言われるけれど、真の階級意識を有せざる点に....