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「心積り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心積りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
翁は片唾《かたず》を呑んだ。 およそ山を見るほどのものの胸には山の高さに対して心積りというものがある筈である。見るほどのものはあらかじめの心積りの高さを率て実....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
瓶の音が不思議と云うでは、道理上、こりゃ無いのでありまするが、婆さんに聞きました心積り、学生の方が自炊をしてお在と云えば、土瓶か徳利に汲んで事は足りる、と何とな....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
我が家の門附を聞徳に、いざ、その段になった処で、件の(出ないぜ。)を極めてこまそ心積りを、唐突に頬被を突込まれて、大分|狼狽えたものらしい。もっとも居合わした客....
星女郎」より 著者:泉鏡花
…外から見える縁側の雨戸らしいのは、これなんでしょう、ずッと裏庭へ出抜けるまで、心積り十八九枚、……さよう二十枚の上もありましたろうか、中ほどが一ヶ所、開いてい....
窃む女」より 著者:黒島伝治
が、六十円ほどはいったが、年末節季の払いをすると、あと僅かしか残らなかった。予め心積りをしていた払いの外に紺屋や、樋直し、按摩賃、市公の日傭賃などが、だいぶいっ....
母たち」より 著者:小林多喜二
低い声で裁判長の方に向って何か云った。裁判長は白い髯を噛みながら、「本当にやめる心積りか?」と訊きかえした。「そうです、考えるところがあって……。」山崎は頭を伏....
健康三題」より 著者:岡本かの子
を伏目で眺めて居る姿が無意識の眼に映るけれども、私はそれどころでなく書きに書いて心積りした通り首尾よく大晦日の除夜の鐘の鳴り止まぬうちに書き上げた。さて楽しみに....