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心血
「心血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ふうするもので、ところが彼女らの父親が、その小笛について実に七年という長い年月の
心血をそそいだ結果、希代の名品をくふうしたのです。 それまでは小鳥の種類によっ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
と笑われた彼の咒語は、其の実苦心惨憺の余に成った者で、之を作った当人は一字一字に
心血を注いだに違いない、余は之まで聞いて、思わず目の覚めた様な気がして、腹の中に....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
は大衆と共に朗読する「普勧座禅儀」を口のうちで説えた。高祖|開闢の霊場で、高祖の
心血の御作たる「座禅儀」を拝誦するありがたさが彼の心身に、ひしひしと浸み渡った。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
うそを、あらねばならぬことのように力説し、人間の本能をその従属者たらしめることに
心血を瀉いで得たりとしている道学者は災いである。即ち智的生活に人間活動の外囲を限....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
興文社から出した「近代日本文芸読本」に関してである。この読本は、凝り性の芥川が、
心血を注いで編集したもので、あらゆる文人に不平なからしめんために、出来るだけ多く....
「死生」より 著者:幸徳秋水
果実を結ばんが為めには花は喜んで散るのである、其児の生育の為めには母は楽しんで其
心血を絞るのである、生少かくして自己の為めに死に抗するも自然である、長じて種の為....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
ためには、花はよろこんで散るのである。その児の生育のためには、母はたのしんでその
心血をしぼるのである。年少の者が、かくして自己のために死に抗するのも自然である。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
後、先生は二月一日突然発病し僅々三十五時間で逝いた。二十余年に亘り、斯学の為めに
心血を灑ぎ、あまりの奮闘に精力を竭尽して斃れた先生は斯学における最大の偉勲者であ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
消化せずという事なく、常に渾身の努力を挙げて、その研究にかかった。就中彼が畢生の
心血を濺いだのは心霊問題で、之が為めには、如何なる犠牲をも払うことを辞せなかった....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
俗悪な処世家にすぎないのである。むかし杉山平助という猪のようなバカ者がいて、人の
心血をそそいでいる作品を、夜店のバナナ売りのように雑言をあびせ、いい気になってい....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
サー元帥の事務所であることに敬意を表する。 第一生命のこの建物は、旧社長矢野翁
心血の結晶であって、この戦争に巻込まれなかったならば、恐らく世界における有数優秀....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
犬村大角 猶ほ遊人の話頭を記する有り 庚申山は閲す幾春秋 賢妻生きて灑ぐ熱
心血 名父死して留む枯髑髏 早く猩奴名姓を冒すを知らば 応に犬子仇讐を拝する無か....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
晴の仕事じゃから、第一は、お国のため、また県のため、続いては、親仁の名誉のため、
心血を灌いだ出品をするように、――大仕事となれば、いずれ費用も掛ろう。手間も要ろ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ペンサー翁をとぶらったのである。) 一生不。 (一生|娶らず、俗世間の縁を避け、
心血を結集して五大編を書きあげた。骨は倫敦郊北の地に埋葬されて、ありあまる光輝は....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
が、死後、比叡山にこの授戒は行われたのであります。これによっても大師の国民道徳に
心血を注がれた日本仏教家としての特色およびスケールの大きさは充分覗うことが出来る....