心裏[語句情報] » 心裏

「心裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
これに一種の情を付与すと云う条《くだ》りに説明したものと変りはありません。吾人の心裏《しんり》に往来する喜怒哀楽は、それ自身において、吾人の意識の大部分を構成す....
草枕」より 著者:夏目漱石
とあせっている境界《きょうがい》もとうてい物になりそうにない。余が嬉しいと感ずる心裏《しんり》の状況には時間はあるかも知れないが、時間の流れに沿うて、逓次《てい....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
にきまっている。というものはこの男の人殺しに対する評価は、人殺しから生ずる自己の心裏《しんり》の経験に対する評価より遥かに相場が安いのであります。平たく云えば人....
去年」より 著者:伊藤左千夫
およぶはずのものであるまい。いかな明敏な人でも、君と僕だけ境遇が違っては、互いに心裏をくまなくあい解するなどいうことはついに不可能事であろうと思うのである。 ....
蘆声」より 著者:幸田露伴
あってか、と驚かされた。 この驚愕は自分をして当面の釣場の事よりは自分を自分の心裏に起った事に引付けたから、自分は少年との応酬を忘れて、少年への観察を敢てする....
十二支考」より 著者:南方熊楠
九〇一年板キングスレイ『西アフリカ研究』一七〇頁、一九〇六年板デンネット『黒人の心裏』七九頁、一九一四年板チャプリカ『西伯利《シベリア》初住民』二八二および二六....
太十と其犬」より 著者:長塚節
それじゃ、おっつあん赤か、どうしたんでえまあ」 太十は犬殺しの噺をした。対手の心裏にふとそれを殺してやろうという念慮が湧いた。其肉を食おうと思ったのである。赤....
十二支考」より 著者:南方熊楠
り、群鼠をして王の諸妃を噛み殺させた話を伝う(一九〇六年板、デンネットの『黒人の心裏』一五三頁。一九一一年板ロスコーの『バガンダ人』二二四頁)。日本にも三善為康....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
婦の短艇《ボート》旅行は思立たれた。厭世観と復讐《ふくしゅう》の念、そうした夫の心裏を読みつくして、死なば共にとの意気を示し、死ぬ覚悟で新しい生活の領土を開拓し....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
するものありて、ややその惑いを解くに至れり。ただその高論の、いまだ狹隘なる婦人の心裏に入らざるのみ。 ヤソ教の熱血ひとたびアメリカ人の血管中に入りてより以来、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
中、播磨の味方へ密々輸送もさせていた。 けれど、左右の諸将は、ようやく、尊氏の心裏をうたがい初めていた。――なぜなれば九州ではあれほど迅速な行動をみせていた尊....