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「心身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
しまいさえすれば………」 これは玄鶴にも残っていたたった一つの慰めだった。彼は心身に食いこんで来るいろいろの苦しみを紛らす為に楽しい記憶を思い起そうとした。け....
尼提」より 著者:芥川竜之介
尼提《にだい》はこう言う除糞人の一人である。舎衛城の中でも最も貧しい、同時に最も心身の清浄《しょうじょう》に縁の遠い人々の一人である。 ある日の午後、尼提はい....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
身を投ずるか、一気に自己を亡すべき、最後の力さえ涸《か》れ尽きていた。だから彼は心身とも、まるで破れた船のように、空しく騒ぎ立つ波に臨んだまま、まっ白に落す豪雨....
或る女」より 著者:有島武郎
葉子の精神は興奮するばかりだった。一人《ひとり》になって暇になってみると、自分の心身がどれほど破壊されているかが自分ながら恐ろしいくらい感ぜられた。よくこんなあ....
星座」より 著者:有島武郎
ありてつぶさに辛酸《しんさん》を嘗《な》めつつあり。もしさらに一二年を放置せば、心身ともに萎靡《いび》し終らんとす。坐視《ざし》するに忍びざるものあり。幸いにし....
クララの出家」より 著者:有島武郎
成行きにまかせていた。彼女の心はそんな事には止ってはいなかった。唯心を籠めて浄い心身を基督に献じる機ばかりを窺っていたのだ。その中に十六歳の秋が来て、フランシス....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た。かれらはラザルスが三日のあいだ墓のなかで死んでいたということ以外に、別に彼の心身に変わったことなぞはないと思っていたので、ラザルスの顔を見詰めたまま、どうな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た時には、そこに相当の準備の必要がありました。何より肝要なのは斎戒沐浴……つまり心身を浄める仕事でございます。もちろん私どもには肉体はないのでございますから、人....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
牛津大学に移るに及びて、其英才はいよいよ鋒鋩を現したが、過度の勉強の為めにいたく心身を損ね、病臥数月の後、保養のために大陸を遍歴すること約一年に及んだ。その中六....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を、片手にチンダルの手を取って、全部をチンダルに譲ることにした。 ファラデーの心身は次第に衰弱して来た。若い時分から悪かった記憶は著しく悪るくなり、他の感覚も....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
感じ得た。 僕が迷信の深淵に陥っていた時代は、今から想うても慄然とするくらい、心身共にこれがために縛られてしまい、一日一刻として安らかなることはなかった。眠ろ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
同胞であることなどは忘れてしまって、憂きことを、憂しと識別することさえ出来ぬまで心身ともに疲れ果てたその家この家に、かくまでに尊い音楽はないのである。 「衆生既....
妖怪学」より 著者:井上円了
等と異なるところあれば、しばらくその一種を別置するなり。第二種は、他人ありてわが心身の事情変化を考定審判するものにして、神を降ろす術、狐をつける法、人相、家相、....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
試むるよりは、少年輩にて試むる方、効験ありという。これまた、その理あり。少年輩は心身ともに強壮なるをもって、予期意向と不覚筋動を生じやすきものなり。老人はこれに....
活人形」より 著者:泉鏡花
になりたれば、介抱せし人を見るに、別人ならぬ悪僕なり。はっと思うに毒や利きけむ、心身たちまち悩乱して、腸絞る苦しさにさては毒をば飲まされたり。かの探偵に逢うまで....