必用[語句情報] » 必用

「必用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

必用の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ば穴が二つでたくさんである。何もこんなに横風《おうふう》に真中から突き出して見る必用がないのである。ところがどうしてだんだん御覧のごとく斯様《かよう》にせり出し....
十二支考」より 著者:南方熊楠
篇に〈堯欲諫の鼓あり、舜誹謗の木あり〉と出たが一番古い。余り善政行き届いて諫鼓の必用なく、苔深く蒸したと太平の状を述べたとまでは察するが、もっとも古くこの成語を....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
りもの》のように腕や手の甲につくのを買わせた。で、彼女は一生懸命にお銭《ぜぜ》の必用《ひつよう》と、物品購買のことを説ききかせて、こういう細長い、まん中に穴のあ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
だかつて見も聞きもしなかったほど一層心着くに容易いのであった。あたかも可し、さる必用を要する渠が眼は、世に有数の異相と称せらるる重瞳である。ただし一双ともにそう....
日記」より 著者:宮本百合子
を無駄に用《つか》ったわけだと今になって一寸口惜しいけれども又、相当に考える事も必用だからと自分でなぐさめて居る。こないだ書いた「魔女」の原稿は書き出しから気に....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と》の助力《たすけ》をかりずに働かなければならないものには、それほど手固い用意も必用だったであろうが、その場合の祖母の意見は、もうここまで来たという祖父の気のゆ....
千世子(二)」より 著者:宮本百合子
では「ハーア」と思って居る位は千世子にだってわかって居た。 何にもそう追求する必用もないし又只友達でなみなみにつき合って居る分ならなどと千世子は思って居た。 ....
蛋白石」より 著者:宮本百合子
べて女中に任して居る。 気の利く、なるたけ奉公人根性のない、気の置けないものが必用である。 さきなんかは少しは千世子の望むのに近い女である。かなり気も利くし....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
ん》に当り、磯山|儂《のう》に告ぐに、朝鮮に同行せん事を以てす。因って儂は、その必用のある処を問う。磯山告ぐるに、彼是間《ひしかん》の通信者に、最も必用なるを答....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
見返しの折目が切れて中身が離脱して了う。ヨタ本形態である。略装は近頃本を安く作る必用上、よく採用されている。が、どうも安物をつくる心得で出版者も工作者もやっつけ....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
生いっさいのことに有用である。だから、一国の運命を背負っている外交官などには特に必用なのである。それで、残心のことを書く。 宮本武蔵が、佐々木岸柳を、木刀で真....
妖怪学」より 著者:井上円了
のうちに立て、それを見て乗れば、かごに酔うことなし。 以上は『秘事百撰』『人家必用』『旅行用心集』『大雑書三世相』等の書中に見えたるものを掲ぐ。これみな、マジ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
のなか》だもの。古い書画を鑑定する智識と毎日の食物を鑑定する智識といずれが人生に必用《ひつよう》だろう。世中の事は多く本末軽重を誤っているからおかしい。女にして....