忌まわしい[語句情報] »
忌まわしい
「忌まわしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忌まわしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
うな者はこの僧侶たちと利害を同じうしていた主権者から最も苛酷な追究を受けた。この
忌まわしい風習が一部分古典時代の民族に移り伝わり、そうして中世の半野蛮人において....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
わず身震いをくりかえしたのでございます。 ――ところで、この時私は、またしても
忌まわしいものをみつけたのでございます。それは、この鏡台の前に来て初めてみつける....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
り出して来るのですよ」 岸本の噂の聞覚えや、推測によるとその娘は支倉に犯されて
忌まわしい病気になったのではないかと云うのだった。 「同級生にひどい奴がありまし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
皆の間に立ちまじっているさまも可憐であった。一刻も早く遺骸は他へ移したい、こんな
忌まわしい座敷牢の中には置きたくない、とは一同のものの願いであったが、さて母屋の....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
に尊敬していました。また田鶴子さんもたいへん上品に見えました。わたくしはその間に
忌まわしい関係などがあるようにはすこしも思えなかったのでございます」と、しとやか....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
。 ちょうどそれは、鏡に吹きかけた息のようなものであった。彼女をおびやかした、
忌まわしい悪夢の世界は、すべて何もかも、海中に没し去ってしまったのである。 そ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
身を恐怖感で苦しめ、わたしの激しい嫌悪感を消しがたいものにしたことばで、わたしの
忌まわしい醜悪な姿が微に入り細をうがって書いてあるのだ。読んでいてわたしは気もち....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
品、職人根性、町人魂、俗悪、エロ、発疹チブス、害毒、人間冒涜、軽佻浮薄などという
忌まわしい言葉で罵倒されているのを見て、こんなに悪評を蒙っているのでは、とても原....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
はいやな現実的な利害問題のゴタゴタのなかに私も入り込まねばなりません。それが実に
忌まわしい事情になっているのです。私はどれほど心を傷つけられたかわかりません。し....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
態ではきたない事はある。それが小学校に於て児童の事に関して存在するを見るのは誠に
忌まわしいものだ。 小学校の教育が学術そのものよりも人間の感化にある事は何人も....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
に、その流れのものはその身に穢れありとして、昔は広くその等類を称し「穢多」という
忌まわしい名を、後世この徒のみに独占せしめられた。しかもその特権とする死牛馬の処....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
であるとの意義よりして、ついには餌取の転訛なるエタの語に当つるに、「穢多」という
忌まわしい文字を用うるに至ったのである。かくて徳川時代に法令上エタ・非人の区別を....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
革を製する皮太の徒は、後世穢れ多しの意味でエタの中のエタとせられ、「穢多」という
忌まわしい名を専有せしめられたのであったが、しかもそれは実に非人中の長吏の専職と....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
と同時に、国法上からはもとの公民に立ち帰るべき筈である。したがって放免などという
忌まわしい名称が、永くその身に付き纏わるべき筈はないのである。「西宮記」巻廿三臨....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
なかったがために、「特に身に穢れがある」との迷信から、後には「穢れ多し」という、
忌まわしい「穢多」の名を負わされて、ことさらに世間から隔離せられました。かくて同....