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「忌中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忌中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
た。 が、翌朝、弟が敵の家の様子を探るため、その家の前を通ったとき、意外にも、忌中の札が半ば閉ざされた門の扉に、貼られてあるのを見た。弟は愕然とした。彼はあわ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
何と言っても今夜は駄目だ。踊ったり謡ったりすることは出来ない。僕たちはいま父親の忌中なのだから」 その言い方が相当に厳粛だったので、雛妓も諦めて逸作のそばを離....
源氏物語」より 著者:紫式部
ぞはかなき ですから憎いとお思いになることなどもいっさい忘れておしまいなさい。忌中の者の手紙などは御覧にならないかと思いまして私も御無沙汰《ごぶさた》をしてい....
源氏物語」より 著者:紫式部
くいたいと思召す心から、このままここへ永住あそばすお考えを持っておいでになった。忌中だけこもっている僧たちは東の座敷からそちらの廊の座敷、下屋までを使って、わず....
源氏物語」より 著者:紫式部
とになるだけのことでございますから、私はいかがかと存じます」 と大将は言って、忌中をこの院でこもり続けようとする志のある僧たちの中から人選して念仏をさせること....
源氏物語」より 著者:紫式部
く書かれてくるのであったから、こちらからも冷淡なふうは見せず常に返事が出された。忌中が過ぎてから薫が訪ねて来た。東の縁に沿った座敷を、父宮の服喪のために一段低く....
丹下左膳」より 著者:林不忘
いまは、侠《いき》なつくりの夢八姐さん。 お座敷帰りとも見える姿で、ちょうど忌中《きちゅう》の札をかけて大混雑中の棟梁方の格子戸をくぐろうとした時だ。 ち....
丹下左膳」より 著者:林不忘
りのような人出です。 四 門前には、白黒の鯨幕を張りめぐらし、鼠いろの紙に忌中《きちゅう》と書いたのが、掲げてある。門柱にも、同じく鼠色の紙に、大きく撒銭....
絶縁体」より 著者:豊島与志雄
。 市木さんは泰然自若としてる風に見えた。そして何事も自己流で押し切った。表に忌中の簾を出すことを承知しなかった。弘子の死去を広告するには及ばないと言った。僧....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
屋敷へ帰りまして、翌朝重役へ、 藤「明日お供を致します筈でござりますが、親戚に忌中これあり、如何致しましょうや」 と伺い出でますると、何ういう都合でござりま....
次郎物語」より 著者:下村湖人
危篤で、学校も休んでいたし、いよいよ葬式がすんで学校へ通えるようになってからも、忌中におめでたまえの人の家を訪ねるものではないと、正木のひとびとに言いきかされて....
魔像」より 著者:林不忘
あるじの頼母が見つけたのだ。自室の障子に紙札がかかっている。 ┌────┐ │忌中 │ └────┘ ……このおれが、生きている死人! とは? 頼母、蒼白....
空家」より 著者:宮崎湖処子
立たしめたり、阿園が尼になるの一事は、里方は痛く怒りたれど、これも彼が周旋にて、忌中五十日の間ともかくもこの家にて喪を守ることを許されぬ、 阿園が尼の願いいと....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
戸へ立ち帰り、芝日蔭町の主家江島屋治右衛門方へ帰って参りますと、店先へ簾を垂れ、忌中と記してありますから、心の中にお出でたなと怖々ながら内へ這入り、様子を聞くと....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
男 宿屋でないのは知っていますが……。 高田 いや、そればかりでなく、ここの家は忌中だから他人を泊めることは出来ないのだ。ほかへ行ってくれ給え。 第二の男 はは....