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忍
「忍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ずあたりを窺《うかが》っている。覆面《ふくめん》をかけているのを見ると、この室へ
忍びこんだ盗人《ぬすびと》らしい。室の隅には金庫が一つ。
....
「影」より 著者:芥川竜之介
かりではない、その常春藤《きづた》に蔽《おお》われた、古風な塀の見えるあたりに、
忍びやかな靴の音が、突然聞え出したからである。
が、いくら透《すか》して見ても....
「河童」より 著者:芥川竜之介
かったものですから、つい調子に乗って悪戯《いたずら》をしたのです。どうか旦那も堪
忍《かんにん》してください。」
三
僕はこの先を話す前にちょっと河童という....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
後《のち》、左近はその甲斐《かい》があって、ある日城下に近い海岸を通りかかると、
忍駕籠《しのびかご》につき添うた二人の若党が、漁師たちを急がせて、舟を仕立ててい....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ぎんの方は見ようともしない。
「お父様《とうさま》、お母様《かあさま》、どうか勘
忍《かんにん》して下さいまし。」
おぎんはやっと口を開いた。
「わたしはおん教....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
噛《こめか》みに即効紙《そっこうし》を貼ったお絹は、両袖に胸を抱《だ》いたまま、
忍び足にこちらへはいって来た。そうして洋一の立った跡へ、薄ら寒そうにちゃんと坐っ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
を噛んだまま、ピアノばかり見つめている。妙子は戸の外に佇《たたず》んだなりじっと
忍び泣きをこらえている。――その後《のち》二月《ふたつき》とたたないうちに、突然....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
この話の主人公は
忍野半三郎《おしのはんざぶろう》と言う男である。生憎《あいにく》大した男ではない....
「運」より 著者:芥川竜之介
娘が、綾と絹とを小脇《こわき》にかかえて、息を切らしながら、塔の戸口をこっそり、
忍び出た時には、尼《あま》はもう、口もきかないようになって居りました。これは、後....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
、どうしてもじっとしてはいられません。そこでとうとう盗人のように、そっと家の中へ
忍びこむと、早速この二階の戸口へ来て、さっきから透き見をしていたのです。 しか....
「狂女」より 著者:秋田滋
「奥さんは起きるのがお厭なんです。旦那、起きるのは厭だと仰有るんです。どうぞ堪
忍してあげて下さい。奥さんは、嘘でもなんでもございません、それはそれはお可哀相な....
「墓」より 著者:秋田滋
まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、幽かな灯影が見えた。抜足差足、跫音を
忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような冒涜行為を目のあ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
なし、面白き事こそ起りたれと折しもかかる叢雲に月の光りのうすれたるを幸い、足音を
忍びて近づきて見れば男ならで女なり。ますます思いせまる事ありて覚悟を極しならんと....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しもっと賢明な男だったらあきらめたであろう。ところが、彼は生まれつき至って柔軟で
忍耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても強靭であり....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
う。まん円で、深く、澄んでいて、私はぞッとした。私は今日が今日まで、この時ほど残
忍な感動を経験したことは一度だってない。が、それはまったく短い間だった。子供は、....