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「忍び声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忍び声の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
うか」 「ええ」 「省作さんちょっと手ぬぐいを貸してくださいな」 おとよさんは忍び声でいうので、省作はいよいよ恐ろしくなってくる。恐ろしいというてもほかの意味....
雑沓」より 著者:宮本百合子
」 ぷっつり切った髪の切口を青いスウェータアの背中で西日にチカチカさせながら、忍び声をして押しあっている。宏子が近づくと、はる子は黙って手にもっていた本の表紙....
旅愁」より 著者:横光利一
ンの欄干のところで、真紀子と千鶴子は皆から少し離れた位置に立ち、裾に微風のそよぐ忍び声で何事か話していた。二人の笑顔を海面からの反射が細かく浮き上げ、スカートの....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
いきなり、そこにある机かけをとって床の上の火炎をたたきだした。 「だれだ」と父は忍び声にどなった。 「ぼくですお父さん」 「おまえか……なにをする」 「消しまし....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ノソやってくると、一丁ほど向うで、五人ばかりの人間が淵へ身を乗り出すようにして、忍び声で代るがわる崖の下へなにか言いかけると、崖の下からおうむがえしに、よく透る....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いると、闇の中を手さぐりしながらそろそろと歩いて来たものがある。圧しつけたような忍び声で、 「そのへんに江戸からおいでなすったひょろ松の旦那がおいでではございま....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
、きっと扉の後ろで彼の靴音が聞こえ、それから「失敬、|僕いま一人じゃないんだ」と忍び声で断りを喰ったものだと言うのである。ヤアギチは彼と知り合いになると、すっか....