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忍び歩き
「忍び歩き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忍び歩きの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源氏物語」より 著者:紫式部
母親の尼さんなどが聞いて気にかけるから、たいそうには言わせないように。あれは私の
忍び歩きなどをやかましく言って止める人だ」 こんなふうに順序を立ててものを言い....
「源氏物語」より 著者:紫式部
った。深く霧に曇った空も艶《えん》であって、大地には霜が白かった。ほんとうの恋の
忍び歩きにも適した朝の風景であると思うと、源氏は少し物足りなかった。近ごろ隠れて....
「源氏物語」より 著者:紫式部
りつぼ》には女房がおおぜいいたから、主人が暁に帰った音に目をさました女もあるが、
忍び歩きに好意を持たないで、 「いつもいつも、まあよくも続くものですね」 とい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
氏は何にも興味が持てなくなっていた。官位の昇進した窮屈《きゅうくつ》さもあって、
忍び歩きももう軽々しくできないのである。あちらにもこちらにも待って訪《と》われぬ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た。幾日か続いた雨の残り雨らしいものが降ってやんだあとで月が出てきた。青春時代の
忍び歩きの思い出される艶《えん》な夕月夜であった。車の中の源氏は昔をうつらうつら....
「源氏物語」より 著者:紫式部
人はどんなに寂しい霧を眺めておいでになるであろうと大将は思いやった。 「珍しくお
忍び歩きをなさいましたのですよ」 と女房たちはささやいていた。 夕霧の大将は....
「源氏物語」より 著者:紫式部
りすぐれた印象を与えたいという用意はするはずであるが、怪しいほど放散するにおいに
忍び歩きをするのも不自由なのをうるさがって、あまり薫香などは用いない。それでもこ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
が続々現れたようだ。復活切支丹の先覚たる光栄に酔っぱらったとでもいうのか、山野を
忍び歩き人目を怖れ怯えつつ、よその村のイロリ端で神の教えを一席ぶって宗論をたたか....
「城」より 著者:カフカフランツ
うすることにきめたんだ」
すでに少し前からKは、一人の農夫がテーブルのまわりを
忍び歩きしているのを見ていたが、その男はついに決心して片方の助手のほうへ近づき、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
と断言はできなかった。おそらく今初めてつけられたものらしかった。寺男たちは商売柄
忍び歩きの名人で、人に気づかれないものだ。Kが偶然振向くと、自分の背後の程遠から....