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忍び泣く
「忍び泣く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忍び泣くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちが静まり返っているのです。――と思われたその静かな屋内の奥から、よよとばかりに
忍び泣く女のすすり音がきこえました。 声をたよりに奥へはいってみると、へやは内....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
しながら、机の上に突伏した。 私は廻転椅子の中にどっかりと落ち込んだ。そうして
忍び泣く少年の姿を見ないように横向きになったまま、わななく指で第一頁を開いた。 ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
のなき寝顔、せめてもう十計りも大きゅうして銀杏髷結わしてから死にたしと袖を噛みて
忍び泣く時お辰|魘われてアッと声立て、母様痛いよ/\坊の父様はまだ帰えらないかえ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
私たちのもとへ帰ってこないのです」 夫人は、ハンケチを目にあて、肩をふるわせて
忍び泣くのであった。 「まあ、なんてお気の毒なお話しでしょう」 じっと聞いてい....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いうような怖しいことを荒々しい声で罵られたのですが、するとにわかにいずこともなく
忍び泣くような悲しい幼女の声がして、アラ、ダメヨ、赤い頭巾をかぶせないで。目が見....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
が魂の家郷を恋い、火の燃える炉辺を恋い、古き昔の子守歌と、母の懐袍《ふところ》を
忍び泣くところの哀歌であった。それは柚《ゆ》の花の侘《わび》しく咲いている、昔々....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
の音楽家の中で、誰かが桂の冠を貰うた時――ああそして私の運命が決まった時! (と
忍び泣く。二人の使女は顔を合わせて、気の毒の表情。――静。やがて使女は小声にて語....