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「忍冬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忍冬の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
橡の花」より 著者:梶井基次郎
うにも心の動きがつかなかったような日が多かったなかにも、南葵《なんき》文庫の庭で忍冬《すいかずら》の高い香を知ったようなときもあります。霊南坂で鉄道草の香りから....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
事です。こちらにあるのが Rose で Robert を代表するのです。下の方に忍冬《にんどう》が描《か》いてありましょう。忍冬は Honeysuckle だか....
野道」より 著者:幸田露伴
と仲直り気味にまず予に薦めてくれた。花は唇形で、少し佳い香がある。食べると甘い、忍冬花であった。これに機嫌を直して、楽しく一杯酒を賞した。 氏はまた蒲公英少し....
日輪」より 著者:横光利一
稲から作った諸白酒が与えられた。そうして、宮の婦人たちは彼らの前で、まだ花咲かぬ忍冬を頭に巻いた鈿女となって、酒楽の唄を謡いながら踊り始めた。数人の若者からなる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 十二 茂太郎が陥没して、まだ浮き上らないところの地点の、忍冬《すいかずら》の多い芝原に、そんなことは一切知らないで、一人の太った労働女が....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ろぎ》の鳴く声や、驟雨《しゅうう》の降りそそぐ音などが聞かれた。秋の大地の息――忍冬《にんどう》や仙人草《せんにんそう》や藤や刈り草の匂《にお》い――が、家の中....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
や》の柩衣《きゅうい》が、この世のものとも思えぬ静かな哀愁が、庭をおおうていた。忍冬《すいかずら》や昼顔の酔うような香《かお》りが、快い美妙な毒のように四方から....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にあふれ、次にきたるべき雨さえもそうだった。再び来るその雨も、鈴蘭《すずらん》や忍冬《すいかずら》が恵みをたれるのみで、少しも心配なものではなかった。燕《つばめ....
アケビ」より 著者:牧野富太郎
。これを蒸し乾かしお茶にして飲用する。山城の鞍馬山の名物なる木の芽漬はこの嫩葉を忍冬《すいかずら》の葉とまぜて漬けたものである。 従来わが邦の学者は、わがあけ....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
《あをさぎ》の脛《はぎ》を打つ 点滴に打たれてこもる蝸牛《かたつむり》 蚊の声す忍冬《にんどう》の花散るたびに 青梅に眉あつめたる美人かな 牡丹|散《ちっ》て打....