忍従[語句情報] »
忍従
「忍従〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忍従の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
とは絶対に芸術には不可能である。二千年来芸術の魅力を理解せぬ諸君を毒することは。
忍従
忍従はロマンティックな卑屈である。
企図
成すことは必しも....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
のいうことを、殿の仰せとばかり、ただ不可抗力の命令のように、なんの反抗を示さずに
忍従した。彼らは霊験あらたかな神の前に捧げられた人身御供のように、純な犠牲的な感....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ほ」と含み笑いの声を立てた。それは無垢《むく》に近い娘の声であった。 宿命に
忍従しようとする不安で逞しい勇気と、救いを信ずる寂しく敬虔な気持とが、その後のく....
「河明り」より 著者:岡本かの子
いのをはっきり自覚した。すると私は早く日本の叔母の元へ帰り、また、物語を書き継ぐ
忍従の生活に親しみ度い心のコースが自然私に向いて来た。 私たちからは内地の話や....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
歩きつづけてきたことか、また、どれほど多くの峠を越してきたことか。そして長い長い
忍従の旅路を経てついに山の頂きへと登って行ったに違いない。すなわち彼こそは実に典....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
るのを耳にした代官林兵右衛門は単身乗り込んで、天主の画像を奪い破り、竈に投じた。
忍従の信徒達もこれを見ては起たざるを得なかったのであろう。座に在った四十五人は等....
「転機」より 著者:伊藤野枝
生活を保ってきた。しかし、第一に私は手近かな、家庭というもののために、不愉快な「
忍従」のしつづけであった。種々な場合に、そんな時には何の価値もない些細な家の中の....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
家の人たちに比べて見ますときには、その事に向っては常に感謝してましたが――やはり
忍従を強いました。で私は、いつでも家庭における自分というものについては、充分な不....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
して、私はそれを自分でも知っていたので、身から出た錆だと思って自分の不幸に黙って
忍従し、また明らかに無鉄砲に厭ってもいた。それはちょうど、一人の男が蜘蛛を半殺し....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
ではないか」 基督の肖像と並べて見た。洵に面白い対照であった。信仰、柔和、愛、
忍従、これが基督の肖像に、充ち溢れている特徴であった。全体が細身で美しく、古典的....
「光は影を」より 著者:岸田国士
自然に彼の胸中に、一種の強制、自発的ではあつたが、絶対の力に抗し難いことを覚つた
忍従のかたちで、もたもたしたものを残さずにおかなかつた。 彼の父、京野|憲之は....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
を抑えながら、昨日は西、今日は東とさすらい求めていたのです。本当に苦しい、それは
忍従そのものでした。 琴の音。 (次第に激して行く)それが、どうでしょう。ねえ、....
「婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
に燃えている。それは、決して空想でない。あるべき必然の真理として確認されている。
忍従も、労働も、信念の前には意とすべきでない。男女共労、共楽の社会を建設するため....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
善の状態から最悪の状態へ投げ落とすことのあるこの肉体をひきずって生きて来た!――
忍従であると人はいう。私はそのようにした。――願わくば、耐えようとする私の決意が....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ある――神に仕える静かさが。(一八一五年) * 忍耐――(神への)
忍従――
忍従! かくて極度の不幸の中でさえなお得るところがあり、そしてわれわれは....