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「忖度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忖度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
え去って、四宮霜嶺先生に示すの機会を求むるの労を惜しまざれ。先生にして我が平生|忖度《そんたく》するところのごとくんば、この稿によって一点|霊犀《れいさい》の相....
明暗」より 著者:夏目漱石
に苦しんだ。そのくせ口では双方とも底の底まで突き込んで行く勇気がなかった。互いの忖度《そんたく》から成立った父の料簡《りょうけん》は、ただ会話の上で黙認し合う程....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ってしまった、立ち続ける力さえ失ってしまって。 君よ※ この上君の内部生活を忖度したり揣摩したりするのは僕のなしうるところではない。それは不可能であるばかり....
無惨」より 著者:黒岩涙香
や、疑団又疑団、明日の午後には此疑団如何に氷解するや 中篇(忖度) 翌六日の正午、大鞆は三筋の髪の毛を恭しく紙に包み水引を掛けぬばかりにし....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
的に洩らした微かな憎悪の言葉が、粉飾と誇張に彩られたもので、むしろ葉村氏の心持で忖度された庸三の憎悪を、彼に代わって彼女に投げつけているようなものであった。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あるから、あの提灯についてはいかなる解釈を下しているのだろうと、その心持を兵馬は忖度《そんたく》してみないでもありません。 窓から半身を出した能登守は、ややし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、充分それを納得して、附け加えて申します、 「拙者も実は、奥方のお心持を左様に忖度《そんたく》しておりました、それのみならず、関ヶ原まであの夜の曲者を追いかけ....
悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
ら、もう原子爆弾は落されない、という想定のもとに、戦争は起るかも知れないと冷淡に忖度してるのである。平和はどこへ行ったのであろうか。 「それでも、戦争はどうなん....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
ゃいでいた。私は、彼の言葉をそのままに聞いているだけで彼の胸のうちをべつだん何も忖度してはいないのだというところをすぐにも見せなければいけないと思ったから、 「....
省察」より 著者:デカルトルネ
ことは必要でなく、かえってこの原因のうちにおいても客観的に有れば十分であろう、と忖度してはならない。というのは、この客観的な存在の仕方が観念に、観念そのものの本....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ことがないのだろう。この都市の業態生態がそれを必要としないのだもの。人の目の色を忖度して稼ぐような変な鋭さだけ発達し、その変な鋭さをこの町では利巧と云うような悲....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ィン男の言葉にも、「ファラデーは数学を知らなかった。しかし数学で研究される結果を忖度し得た。また数学として価値のあるような結果を清楚な言葉とかいうのは、ファラデ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
耳を傾けた。――じっと傾けている耳には、内心深く、電光石火の暗算と、謀叛の有無の忖度と、片言隻句の暗示も聞き洩らすまいとする努力とが伴っていた。すぐ、さしあたっ....
無月物語」より 著者:久生十蘭
をはずした大音声で、二時間ばかりずつ世間話をするようになった。朝霞は泰文の気持を忖度しかねて悩んでいたが、そういうことも度重なると、つい心をゆるし、将来の不幸を....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
了するのが厭になったことを覚えている。今其|轍を蹈んで、無邪気な山人の心を勝手に忖度し、而も夫を以て自己の不明を弁解するの具に供しようとすることは、真に恥ず可き....